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事務事業評価の仕組み

 では事務事業評価は、どのような仕組みで行われるのでしょうか。これもまた実例を見た方が分かりやすいと思いますので、図に沿って説明します。

 
岩手県盛岡市で実施された「健康教育事業」に関する事務事業評価シート

 こちらの画像は、平成26年度(2014年度)に岩手県盛岡市で実施された「健康教育事業」に関する事務事業評価シートです。自治体ごとによって微妙な違いはありますが、事務事業評価の多くは、このようなシートに基づいて実施されており、内容的にも大きな違いはありません。

 事務事業評価は、評価シートの画像にあるように、当該事業において、どの程度の資源が投入されたのか、実績としてどのようなアクティビティ、アウトカムがあったのかといったことを踏まえ、改善の余地があるか否か、場合によっては廃止の必要があるか、といったことを評価するものです。評価シートで言うと、健康づくりのために適切な支援や情報提供を行う事業について、現状の実施内容や、その課題についてといった論点が記されています。

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事務事業評価の3つの特徴

 では、事務事業評価は、どのような特徴を備えた営為なのでしょうか。多くの特徴を有する事務事業評価ですが、ここでは代表的なものを三つ取り上げましょう。

 第一に、事務事業評価は基本的に事後評価で行われます。たとえば、先に述べたPPBS(編集部注:限られた予算で最も効率よく目的を達成するための財政管理システム)は事前にシミュレーションを徹底的に行います。あるいは、高速道路やダムといった大規模公共事業で行われているアセスメントも事前評価にあたります。これに対して事務事業評価は、既に行われた事業を検討するので、事後評価に該当します。

 第二に、事務事業評価は基本的に内部評価で行われます(反対は「外部評価」)。事務事業評価シートも、原則として行政職員が作成します。自分で自分の担当している事務事業を評価しますから、内部評価は客観性を欠いたものになりがちだと言われています。私の勤務している大学でも、年度ごとに人事評価が行われますが、基本的に自己評価のため、客観的な評定ができているとは言い難い面があります。もちろん、客観的な指標はキチンと用意されていますし、提出した評価結果が妥当か否かについて、第三者による検討も加えられますが、内部評価が限界を有していることには変わりはありません。