同学年「94年組」には錚々たるメンバーが揃う
――奥原選手と同学年にはバドミントンの桃田賢斗をはじめ、ドジャースの大谷翔平、カブスの鈴木誠也、プロスケーターの羽生結弦や村上佳菜子、水泳の萩野公介、瀬戸大也、新体操の畠山愛理、スピードスケートの髙木美帆……など錚々たるメンバーがいます。彼らに相談することはなかったのですか。
奥原 今はそれほどないですね。以前は、みんなで集まってああでもない、こうでもないと他愛もない会話をすることもありましたけど、今はもうそれぞれの道を確立しているし、引退してセカンドキャリアを歩み始めた人もいるので、私が知っている彼らの情報は皆さんとほとんど同じで、SNSをフォローしているくらいです。
「仕切ってはいませんよ(笑)。ただ…」奥原選手が日程調整をしていた理由
――その頃、同級生たちを仕切っていたのは奥原選手だと聞いたことがあります。
奥原 仕切ってはいませんよ(笑)。ただ、それぞれがご飯に行こうとか、会って話そうよ、と言い出すことがあって。わたしはそういうとき、曖昧にするより決めておきたいタイプなので、日程を調整したり、集まる場所を手配したりしていましたね。今は全然会えていないので、みんながひと段落付いたら、また集まりたいとは思っていますけど。
――大谷選手をお祝いするということで集まればいいじゃないですか。
奥原 そんな理由だったら、毎日お祝い会を開催しなきゃならない(笑)。毎日のように何か新しい記録を樹立したり更新したりしていますから。
私たち同学年は、お互いに刺激し合ってはいるけど、変なしがらみで繋がったりはしない。そのバランス感覚はいいと思います。競技は競技、プライベートはプライベートと割り切っていますし、お互いをリスペクトする気持ちが凄く強いと思います。他の人の立場になって考える能力も高いですし、距離を上手く取りながら付き合っていますね。
――だからみな、その競技の第一人者になれたのかもしれませんね。
奥原 みんな自分を持っているし、競技に取り組む姿勢は半端ないですからね。だからお互いに刺激を受け、頑張れたんだと思います。でもそれは、アスリートの世界に限ったことではなく、一般社会でも同じ年というだけで勝手にエネルギーを貰っている人はいるんじゃないですか。世代エネルギーってあるような気がします。
特に私たちの世代は大谷君や羽生君が引っ張ってくれているので、たとえばビジネスの分野とか、芸術のジャンル、研究やスタートアップなどといった別のジャンルでも、エネルギーを貰っている人は少なからずいるんじゃないかなと思います。