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外国人観光客に「新幹線が来るんだよ」と言っても信じられそうな“巨大な駅”

 泉佐野駅は、高架の実に大きな駅であった。外国人観光客に「新幹線が来るんだよ」と言ったら一も二もなく信じてくれそうなくらいだ。思えば、中部国際空港の付け根の駅、常滑駅も高架の立派な駅だった。空港の付け根の駅というのは、どこも特別なのだろうか。

 そんなことを思いながら、高架のホームから階段を降りて、高架下の改札を抜ける。すると、その高架の駅舎のすぐ脇に寄り添うように大きなビルが建っている。高架とビルの間にはスキマがあるから、駅ビルというわけではなさそうだ。南側の駅前広場に出るには、ビルの柱の間を抜けなければならない。

 
 
 

 このビルの正体は、ホテルであった。レフ関空泉佐野、というホテルだ。そのホテルの下をくぐり抜け、泉佐野駅南側の駅前広場。周囲には、ほかにもいくつかのホテルが建っている。関空まで南海電車で10分ほどという泉佐野なのだから、拠点とするにはうってつけなのだろう。

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 駅舎とホテルと、そして駅前広場。そんなしつらえの泉佐野駅は、実にひとつの都市の玄関口らしい雰囲気を持っている。駅前からまっすぐ南に延びる目抜き通り沿いには飲食店などが集まっている雑居ビルがあったり、少し先に行けば医療機関や商業施設。その周辺はおおむね住宅地で、大きなマンションもちらほらと目に留まる。

 

ちょっと前まで高架駅じゃなかった「大阪と和歌山を結ぶ駅・泉佐野」

 と、こうして見ると泉佐野駅は取り立てて目立った特徴がなさそうではあるものの、空港の付け根に位置する都市のターミナルとしては、なかなか立派といっていい。きっと、外国人観光客も関空との行き来のどこかで宿泊する機会があるのだろう。

 
 
 

 ちなみに、関西国際空港は1994年に開港した。特急「ラピート」と「はるか」も関空開港と同時に運転を開始している。その時点で、泉佐野駅は大阪と和歌山の間の途中駅のひとつから、空港輸送の要の駅になったというわけだ。

 ただ、そのときはまだ泉佐野駅は地上にあった。高架工事の真っ只中で、いまの形が完成したのは2006年になってから。地上駅時代に駅前にあった小さな商業施設は閉鎖され、いまは高架下がちょっとした商業ゾーンになっている。

 そして立派な広場が整備され、堂々たるホテルまで。泉佐野市の玄関口というよりは、関空の玄関口というほうがふさわしいかもしれない。