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「抵抗の枢軸」とは?

入山 なるほど。リスナーの方で知らない方もいらっしゃると思うので説明しておくと、私のつたない理解ですが、イスラム教徒はすごく大まかに言うと、シーア派とスンニ派に分かれていて、大部分はスンニ派なわけですね。サウジアラビアなど多くのイスラムの国はスンニ派です。

池上 85%くらいがスンニ派ですね。

入山 そして15%がシーア派ですね。シーア派は、ムハンマドの従兄弟で娘婿のアリーの血筋をひくものが指導者になるべきだと考えています。大国であるイランはシーア派なので、イランがつくったヒズボラもシーア派です。イランはヒズボラをつかって間接的にイスラエルを攻撃している。

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池上 そうです。フーシ派もシーア派です。イランが中東各地で支援する武装組織のネットワークのことを「抵抗の枢軸」と自称しています。これは要するに現在のイランの外交戦略で、中東地域のシーア派を糾合することによって、イスラエルやアメリカと対立しようというものです。それから、実はイラクのなかにもシーア派の武装勢力があります。イラクの国民は6割がシーア派で、選挙した結果、今、シーア派の政権なんです。ただし、イラクはアメリカとは対立しないという態度をとっています。

入山 なるほど。イスラム教はシーア派とスンニ派に分裂しているわけですが、対イスラエル、対アメリカということを考えると、イスラム勢力として組んでいくという可能性が出てきているということですか?

池上 そうですね。つまり、敵の敵は味方で、共通の敵があるなら仲良くできるという、こういうことです。


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