「立場があるにも関わらず、Bの健全な育成を阻害した」
またA子側は、12月30日にBくんがA子の下半身を触ろうとした時に「生理だから」と言ったことをあげて、その発言が拒否の意味であると主張した。
「血が出ているから感染症を心配していた。だから『やめて』と言ったんです」(A子)
しかし、これも認められなかった。
判決では「生理中であり、必ずしも乗り気ではなかったかもしれない。しかし、20日の出来事から10日後の出来事であり、2人で食事をしている。(やりとりの経緯から)被告人は、Bが期待していたことを認識していたはずだ。その後も、裸の写真を送るなど、恋人のようなやりとりを行っており、受け入れていると見るべきで、被告人の証言は信用できない」として、ここでも弁護側の主張を採用しなかった。
さらに弁護側は、Bくんの「学校外で会う前から、学校内でキスやハグをした」などという証言も否定していた。学校外で会う前から性的な接触があったとすれば、A子の「同意していなかった」という証言の信用度は著しく下がる。
弁護側は「(Bくんが)10月まで児相に保護されており、その1カ月後に2人の関係が発展していたとは考えにくく、不自然ではないか。思い込みや勘違いではなく、警察の捜査で誘導があった可能性がある」と指摘。
A子も「私とBくんとは認識が違う。事実と違うので、Bくんが嘘をついていると思ったことがある」と証言した。
しかし、判決は「以前にも校内でキスやハグをしていたというのは、唐突な印象があるが、これらの証言通りではないとしても、担任と生徒の関係の接触があったと見るべき」として、弁護側の主張を認めなかった。
結論として「被告人の証言は信用できず、Bが被告人の意思に反して性交したとは言えない。Bとの不適切な関係を被告人が助長した。立場があるにも関わらず、Bの健全な育成を阻害した」という有罪判決。しかしすでに懲戒処分を受けていることを考慮して執行猶予となった。知的障害を持つ生徒が教師から性的な視線で見られているとすれば、教育機関の信頼は地に落ちてしまう。早急な対策が必要だ。