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相手との深い関係があってこそ笑い話になる

<医者から痩せるように言われ、

 

 「一緒に歩こうか」と言ってくれた夫よ、

 

 ごめん…。

 

 あなたがシャワーを浴びている間、

 

 こっそり冷蔵庫の缶ビールをあけてました。

 

 せっかく歩いた努力も 麦の泡。

 

 (今度からは糖質ゼロにします)>(第20回優秀賞)

 汗吹きのタオルを首に巻いたまま、女性が「ぷはー」とビールをあおる姿が描かれていた。すごく美味しそうに見える。風呂場から出てきた夫は、妻からアルコールの臭いがしただろうに、「それほど飲みたいなら」と気づかないふりをしていたのかもしれない。埼玉県から寄せられた。

第20回優秀賞(南国市副市長賞)

 こうして見てみると、一定の傾向があるような気がする。謝罪が笑い話になるのは、相手との深い関係があってこそだ。

 他人や見知らぬ人であっても、似たことが言える。

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<60代ぐらいのおばさんへごめんなさい。

 

 僕は60代ぐらいのおばさんにバスの席をゆずろうとしましたが、そのあとに乗ったかわいい女性の方におもわず席をゆずってしまいました。ごめんなさい。>(第18回ナンコクスーパー賞)

第18回ナンコクスーパー賞

「ごめんなさい」は相手がいるから言える。相手の身になって考えた時、「申し訳なかったな」と心が傷む。究極の思いやりの言葉であるからこそ、涙が出るような話や、笑える話になり、審査員の心に響く。

 審査員も務める南国市観光協会の安岡事務局長は、「『ごめんなさい』は相手の寛大さに尊敬を込めて使われる言葉とも言われているそうです。相手との関係で意味も変わってくるのでしょうね。だから涙あり、笑いありなのでは。

 また、謝罪は普通、ネガティブで暗い事柄を想像します。でも、コンクールではハガキに書くことでスッキリする面もあるので、笑える話になっているのかもしれません」と分析する。

人生が凝縮されている「ごめんなさい」

 実行委員会で副委員長を務める徳久さんは「人はそれぞれ違った人生を歩みます。でも、直面する出来事や感情には似通った部分があります。ハガキに書かれた『ごめんなさい』に自分の人生を重ね合わせて共感するのはそのためです。誰もが経験する人生の一コマが描かれているからこそ、選者の心に響いて涙が出たり、思わず笑ったりしてしまうのです。対極の内容のハガキが入選するのは、どちらも人生の一部だからです」と説明する。

「ごめんなさい」を記したハガキには、人生が凝縮されているのかもしれない。

「審査ではハガキの内容に自分の人生を重ね合わせる」と語る徳久衛さん(南国市)

撮影=葉上太郎

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 第21回の応募は2024年11月30日まで(当日消印有効)。

 問い合わせは、現在の事務局が置かれている南国市観光協会