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 ほかの教師も、自らの体験を交えたりしながら、生徒たちに語って聞かせる。天路はここで初めて生徒たちに、雪乃が子供を産むと決めたことを伝えた。これに対し、生徒からは保への批判が飛び出すも、天路は、保も雪乃一人を苦しめるわけにはいかないと思って、この学校にとどまる決意したと告げる。これを受け、クラスメイトのあいだで二人を応援しようというムードが一気に沸き起こり、公開授業は無事に終わった。

※写真はイメージ ©AFLO

放送後、局内の電話は鳴りっぱなしでハガキは15万通も

 女子中学生が妊娠して子供を産むというエピソードは、視聴者から大きな反響を呼んだ。第6回の放送が終わるや、TBS局内の電話は鳴りっぱなしで、さらにハガキが15万通も届いたという。なかには現場の教師から「参考にしたいので台本を分けてもらえないか」との問い合わせも多数あったようだ。

 視聴者のハガキの多くはドラマに肯定的なものであった。たとえば、子供を持つ母親の一人からは《愛についての先生のお話すばらしかったです。私方も「男子」中学一がおりますので皆そろって見ました。/何かあった時テレビの話を思い出して話合いができるのではと思います》という感想が届いた。

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※写真はイメージ ©AFLO

 そうかと思えば、ある女子高校生のハガキのように《「十五歳の母その一~三」を見て、感動しました。たいていのドラマは、妊娠、そして中絶でおわりになってしまうのですが、このドラマは最後までていねいに答えてくれました。(中略)私たちの年代では、どうすることもできない問題の一つだと思います。「おろす」ということだけが、この問題に対する答えではなく、「生む」ということもできる。/しかし、まわりの人々の理解を必要としますが……学校でも話題になりました。「今までにない番組だ」と……。/これからも、私たちの年齢では解決できない問題を、とりあげてください》と学校での反応も交えつつ、このドラマに斬新さと共感を覚えたという声もあった(以上、視聴者からのハガキは原文ママ、『小山内美江子の本3』労働旬報社、1985年より引用)。

当事者を演じた二人は「産むことは選ばない」

 10代の女性向けの週刊誌でも、翌1980年2月22日放送の第18回で雪乃が出産したのち、生徒役の出演者、また若手芸能人から感想や意見を集めて記事が組まれた(『セブンティーン』1980年3月1日号)。そこでは、杉田かおるが《実際に15歳だったら、子ども産んじゃいけないと思う》、鶴見辰吾が《15歳という年齢は責任の重大さに耐えられる年じゃないですよね。だから自分がそうなったとしたら、産ませないでしょうね》と、当事者を演じた二人が、意外というべきか、自分が現実に役と同じ立場に置かれたら産むことは選ばないとそろって答えている。