M-1チャンピオンになるのがすごいってなりすぎてる

――実際にラストイヤーまで何年かあるのに出ない選択をされる芸人さんがいらっしゃる意味がわかりました。その選択もまた真なりなんですね。あまりにも影響が大きすぎる。

楢原 そうですね。そういう意味でほんと優勝したいです! 優勝して、「俺らでも優勝できるような大会ですよ! だからそんな大した大会じゃないですよ」って言いたいです(笑)。今までたまたますごい芸人さんたちが優勝してきただけで、僕らみたいなそんなにすごくない奴でも優勝できちゃうんですよ! 運が良ければ、みたいな。その証明のために出たいは出たいかもしれない(笑)。

 M-1でチャンピオンになるって、すごいことなんだってなりすぎてると思うので。本来小さい漫才というエンタメの大会での優勝ですから。だからそんなすごくないですよって。準決勝に残る人はみんな優勝の可能性があるんですよ。本当にその時の決勝の日にハマった人が優勝していく。でも誰がハマるかはわからない。

ADVERTISEMENT

 

――その運の部分に、1年間死に物狂いで頑張ったこととかをかけるって、すごくきついことですね。

楢原 とくにお笑いはそうじゃないですか。感性、審査員さんの感性なので。スポーツはもうちょっと客観的ですよね。お笑いに関しては審査員の感性だし、ウケを評価する人もいるし、好きだって評価する人もいるし。そうなったらもう本当に運なので。

M-1目指してない俺らになんかあんのかな

――その審査員自体も年によって変わる。

楢原 松本(人志)さんがランジャタイのネタ見て言ってたじゃないですか。「体調がいい時だったら面白いんだろうなぁ」って。面白い面白くないは人の尺度でしかないので。そこは、「お客さんたち一回目を覚ましてください!」とは言いたいですね(笑)。たまたまですよ! こんなヤーレンズが2位獲った大会ですよ! 皆さん目を覚ましてください!

 

出井 国民的行事になりつつあるからな。年末年始の風物詩。それは先輩たちにリスペクトなんですけど。かなり不確かなものではあるんですけど。でもM-1目指してない俺らになんかあんのかなとも思う。それに代わる何かがね。M-1目指さなかったら何するの? って。まだそこ何も見つかってないしな。モグライダーの芝さんと年末飲んだ時に言われたんですよ。「お前らなんか漫才師みたいな感じなんだから、やっぱ出なきゃダメなんじゃない?」って。

楢原 ラストイヤーにすごいネタやって3回戦で落ちるモグさん。それも面白い(笑)。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。