出会ってすぐにメールで告白
辻は初対面の杉浦が友達みんなから慕われるのを見て「この人、絶対に悪い人じゃない!」と確信したといい、出会って2日目には好きだと告白のメールを送る。これに対し杉浦は一旦断った。ただ、同時に、まずは友達からスタートし、お互いの内面を知ることで惹かれる部分を見つけ、もし付き合いたいと思ったら男の自分のほうから改めて告白すると約束する。ここから辻の猛プッシュが始まった。
当時の彼女は多忙をきわめながらも、杉浦が友達の家にいると聞きつけたら仕事終わりに会いに行き、寝ずに翌日また仕事へ……という日々を送っていたらしい。そのうちに彼のほうもしだいに辻を女性として意識するようになっていく。そのタイミングでコンサートに招待され、舞台上で彼女がパフォーマンスする姿にすっかり魅せられた。このあと、辻の友達からの後押しもあって、約束どおり杉浦のほうから告白するにいたる。
段ボールの中に隠れながらデートへ向かったことも
とはいえ、辻はアイドルだっただけに、交際を始めてからも人目を避けねばならなかった。杉浦の友達の家や都内の店で会うときには、彼女が段ボール箱の中に入って友達に荷物を装って運んでもらっていたと、のちに自著に収録した夫婦での対談で明かしている(辻希美『大好きな人と結婚した、その後。』講談社、2021年)。
辻は当初より付き合うなら結婚するつもりでいた。杉浦もお互いの実家を行き来するうちに結婚を意識するようになる。大阪の彼の実家へ一緒に行ったときには、辻は着くなり「ご先祖様にお線香をあげさせてください」と言ったとか。彼女によれば、杉浦が両親や友達など周囲の人たちを大切にする人なので、自分もできるかぎりのことをしようと思い、そうしたという。モー娘。時代を思えば、驚くべき成長ぶりだ。
二人が双方の両親や所属事務所に結婚したいと伝えると、とくに反対はなかったものの、辻が20歳になってからとの条件がつけられる。しかし、交際を始めてから1年後の2007年、彼女が19歳の春に妊娠がわかった。そこで急遽両家で話し合ってから事務所に報告の上、5月に記者会見で発表、彼女が20歳になった翌7月、結婚式を挙げるという慌ただしさであった。第一子の希空が生まれたのはこの年の11月のことである。
