ミニモニ。としても活躍、あまりの忙しさに…

 後年、母親になった辻は当時を振り返り、《今は本当に、迷惑かけたと反省していますし、大変だったろうなって思います。自分が子育てをして、当時の自分達の幼さを知って、つくづく恥ずかしくなりました。あんなモンスター、扱うのが相当大変だったろうなって》と省みている(前掲『モーニング娘。20周年記念オフィシャルブック』)。

 辻が入ったのは、モーニング娘。がシングル「LOVEマシーン」で大ブレイクした直後であり、テレビやCM出演、ライブなどでスケジュールはびっしり埋まっていた。辻はそれに加えて、デビューの翌年からは加護と先輩の矢口真里、ココナッツ娘。(モー娘。と同じハロー!プロジェクトのグループ)のミカと結成したミニモニ。としても活動する。あまりに忙しすぎて当時の記憶はほとんどないという。

(左から)辻希美、矢口真里、ミカ、加護亜依(『ミニモニ。ジャンけんぴょん!/春夏秋冬だいすっき!』/2001年)

 モンスターのように暴れ回っていたのも、後輩が入ってくるのにしたがい落ち着いていったようだ。加護とは2004年8月に一緒にモー娘。から卒業、それと前後して新たなユニット・W(ダブルユー)を結成してアイドル活動を継続した。二人になってようやく、いままでは周囲の人たちが助けてくれていたのだと気づく。そのWも2006年、加護のスキャンダルにより活動休止となり、辻はソロへと移行、動揺しながらも自分としっかりと向き合う契機になったという。

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2004年にデビューした辻希美と加護亜依によるユニットW(ダブルユー)(『恋のバカンス』/2004年)

夫・杉浦太陽との馴れ初め

 辻が、のちに夫となる俳優の杉浦太陽と出会ったのはそのころだった。馴れ初めは、杉浦が友達の家に仲間と集まっていたところへ、辻も共通の友達に誘われてやって来たことだ。杉浦によれば、このとき辻は会うなり「太陽君、『音無可憐さん』に出てたよねっ」と話しかけてきたという(杉浦太陽『メッサのほほん太陽んち』アメーバブックス新社、2008年)。『音無可憐さん』とは彼のドラマデビュー作(正式なタイトルは『おそるべしっっ!!!音無可憐さん』)で、辻が小学生のころ好きだった作品だ。