“探偵ごっこ”と称した付きまとい行為

 前出の記者が続ける。

「柳本が高校1年の頃、両親が離婚。もとの団地からほど近い5000万円ほどの新築オートロック付マンションに引っ越し、母と弟の3人で暮らすことになった。そして、このタイミングで、柳本は“探偵ごっこ”と称した付きまとい行為をするようになりました」

 きっかけは同じマンションに住む好意を寄せていた幼馴染の女性だった、と柳本は法廷で言っている。

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〈すれ違うことが嬉しくて、どういうタイミングなら会えるのか、スマホにメモをして集計するようになりました〉

 以後、柳本は次々と“ターゲット”を見つけ、張り込みや尾行を繰り返した。〈他人がどのように生活しているのかを知りたい〉

いつしかエスカレートし、露出狂的な行為も。

 一方、取り調べ段階では「エロ漫画をまねた」とも供述していた。

 この“探偵ごっこ”を行う際、柳本にとって重要なアイテムだったのがダテ眼鏡である。

〈『仮面ライダー電王』で、主人公が別のキャラに乗り移って人格が変わることがあった。眼鏡をかけるのはそれと同じで、別の自分になれると思っていた〉

 次第にこの1人遊びはエスカレートしていった。当初、鞄の中に入れていた“探偵グッズ”はタオル、スマホ、筆記用具、ダテ眼鏡だけだったが、いつしかそこにはロープ、アイマスク、ビデオカメラといった秘密道具も加わるようになったのだ。

 柳本はこう述懐する。

〈(他人の行動の)メモを取り始めてから、段々と自分が女児に暴行している姿を夢想するようになっていきました〉

 さらにこの頃、柳本はその倒錯した感情が抑制できなくなったのか、ある行動にも出ていた。

 捜査関係者が言う。

「全裸になって野外で自慰行為をすることが日課になっていたようだ。いわゆる露出狂的な行為だ」

親のいない時間帯を見計らって…

 そして大学2年だった16年3月。遂に自身の妄想を実行に移してしまうのである。

「当時10歳の女児を26日間に渡って行動確認し、親のいない時間帯を見計らって電気業者の設備修理を装い女児宅に侵入。95分間に渡って性的暴行を加え続けたのです」(同前)

 以後、犯行は加速していく。捜査関係者が続ける。

「2件目の犯行は大学4年時の17年11月。9歳の女児にカッターナイフを突きつけ『静かにしろ』『言うこと聞かな終わらへんで』等と脅して性的暴行を加えている」