ターゲットとなった女児の“ある共通点”

 前出の捜査関係者が言う。

「柳本が狙ってきた子には共通点がある。どの子も利発で元気がいい。柳本はこうした活発な女児に対して“恨み”のような感情を持っていたのかもしれない」

 前出の記者は言う。

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「被害にあった女児たちは今も精神的トラウマに苦しんでおり、お風呂やトイレに1人で行けなくなってしまったり、情緒不安定になり過呼吸になる子もいる。彼女たちが心に負った傷は計り知れません」

〈よく踏まえて検討したが…〉

 裁判長は判決文でこう結論づけている。

〈被告人が、基本的な事実関係を認めて争わず、一応の反省の弁を述べたことや、性的認知の歪みを自覚したとして治療を受ける意思を表明し、更生の意欲を示したこと(中略)、今後も被害弁償を続ける旨述べたこと、前科がないことなどの諸事情も、よく踏まえて検討したが、被告人に対しては、無期懲役刑をもって臨まざるを得ないと判断した〉

 本件は死刑のない性犯罪にあたるため、この無期刑が最高刑だ。

 柳本の家族はどう感じているのか。自宅マンションのインターホンを押すと、男性の声で応答した。

――柳本さんですか?

「はい、そうです」

――弟さんですよね。

「えーと、多分違うと思います……」

――お話を聞かせて下さい。

「自分は分からないので」

 そう言ってインターホンは切れた。マンションの駐輪場には柳本が犯行時に使った20万円近くする電動自転車が、今も埃を被ったまま置かれていた。