彼女の出演作は何作品も観てきましたが、正直、ラストに流れるキャストのクレジットを見るまで、その中年女性が「池脇千鶴」だったということを認識できませんでした。

池脇千鶴(公式HPより)

 今年2月3日に放送された『秘密~THE TOP SECRET~』(フジテレビ系)第2話に、池脇千鶴さんが犯人役でゲスト出演していたのです。

 池脇さんと言えば、2025年度後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』に、ヒロインの母親役で出演することが発表されたばかり。朝ドラ出演は自身がヒロインを務めた2001年度後期の『ほんまもん』以来、約24年ぶりということで話題を集めました。

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 しかし近年の池脇さんは、“激変”というキーワードとともに話題になっていたと記憶している人も多いのではないでしょうか。

一糸まとわぬ姿で妻夫木聡と…

 1981年11月21日生まれで現在43歳の池脇さん。

2018年10月、第31回東京国際映画祭のレッドカーペットに登場した池脇千鶴 ©時事通信社

 芸能界デビューしたのは15歳のとき。オーディション番組『ASAYAN』(テレビ東京系)で1997年に行われた「第2回CM美少女オーディション」にて、8代目「三井のリハウスガール」に選ばれたことがきっかけでした。

 1999年には『大阪物語』で映画界に進出し、2001年には前述の『ほんまもん』で朝ドラヒロインの座を射止めます。そうして清純派女優として邁進していた彼女ですが、同時にその「清純派女優」という肩書きも脱ぎ捨てたのが、2003年の映画『ジョゼと虎と魚たち』だったのです。

 池脇さんが演じたのは、足が不自由で歩くことができないヒロイン・ジョゼ。障害のある役どころですが、ジョゼはよくある聖人キャラではなく、関西弁で毒舌を吐きまくるエキセントリックなキャラクターでした。

 妻夫木聡さん演じる大学生・恒夫との初対面は、乳母車に乗って包丁を振り回すというショッキングなシーン。恒夫はそんなジョゼに振り回されながらもどんどん惹かれていき、ラストはとても切ない2人の恋の顛末が描かれていきます。

2003年4月、映画「ジョゼと虎と魚たち」の制作発表会見での池脇千鶴(左)と妻夫木聡 ©︎時事通信社

 この『ジョゼと虎と魚たち』で、池脇さんは一糸まとわぬ姿で妻夫木さんと大胆な濡れ場を演じるのです。自宅でキスをかわし、心を通わせた恒夫に「なぁ、ええよ?」「しても」と誘うジョゼ。清純派の肩書きを脱ぎ捨てた瞬間でした。