野球コラムの書き方を楽しく学ぶ「文春野球学校」のメンバーが、ほとばしる野球愛で執筆した「偏愛選手名鑑」。通常の野球名鑑には載っていない情報と情熱をお楽しみください!

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[はじめに]
まさかの下剋上を許してしまい、リーグ優勝・常勝軍団の金看板がやや色あせてしまった昨シーズンの雪辱に燃える鷹軍団。Professional Spiritを磨き、メンタル最強のベテラン猛者たちと育成出身が多めで伸び盛りの若手たちとが融合し、勝利のピース(PS!)となるのだ。今年も春からぶっちぎるで。
(ホークス執筆チーム監督:たなてつ)

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【監督】

90  小久保 裕紀  (こくぼ ひろき)  1971年10月8日生まれ
日本一奪回へナインに「Play happy」(愉しむ)「Give it your all」(出し切る)「Never settle」(追い求める)の3つのキーワードで訓示。Happy Endあるのみだ。 (たな)

マルタイ棒ラーメンwithギータ  撮影:祁答院まみこ/文春野球学校

【投手】

2  C.スチュワート・ジュニア  (カーター・スチュワート・ジュニア)  1999年11月2日生まれ
自己ベスト9勝+CSでも勝星を挙げた昨季、パワー一徹からスプリットなどの変化球の割合を増し覚醒した。キャンプで左脇腹を痛め開幕ローテから外れる見込みも、結婚が決まったMLBのドラ1が本格化の年となる。 (たな)

10  上沢 直之  (うわさわ なおゆき)  1994年2月6日生まれ
レッドソックスから移籍
アメリカから帰国後「簡単な決断ではなかった」と悩み抜いた末、ホークスの一員に。これまでの経験をフルに活かし、リーグ優勝・日本一への貢献を期待。入団後初のキャッチボールは同じく新加入の上茶谷投手だった。 (たま)

11  津森 宥紀  (つもり ゆうき)  1998年1月21日生まれ
ロッテ益田投手の石垣島自主トレに志願の弟子入りし、体幹トレーニングや厳しいロードワークに励んだ。「今のボールをずっと投げていれば今年はいけるよ」との師匠の言葉を胸に、今年は再び50試合以上登板に挑戦。 (たま)

13  濵口 遥大  (はまぐち はるひろ)  1995年3月16日生まれ
DeNAから移籍
良い日とダメな日がはっきりしているタイプ。三塁まで敵のランナーが進むと急にスイッチが入って抑えてしまうスタイルは、ドキドキが止まらない試合になること必至。低音のナイスボイスなのでヒロインに乞うご期待。 (たま)

14  又吉 克樹  (またよし かつき)  1990年11月4日生まれ
昨年9月にはプロ通算500試合登板を達成。オフには柳田選手が主催する自主トレに参加し、体力強化と体幹を鍛えるため打撃練習にも取り組んだ。契約最終年となる今シーズンは「ダメなら引退」の覚悟で臨む。 (たま)

16  東浜 巨  (ひがしはま なお)  1990年6月20日生まれ
投手陣最年長、オフに結婚を発表と、公私とも大黒柱となった。モイネロには”ナオチャン”と雑に慕われているらしいが、ヒガシハマサンの発音は舌を噛む。キャンプ初日からブルペン入りとエース奪回へ気合が入る。 (壬)

17  有原 航平  (ありはら こうへい)  1992年8月11日生まれ
2度目の最多勝に輝くエースは、リーグ最多イニング数(182回2/3)を投げ、ブルペンに負担をかけず信頼を得た。一方、所謂「有原式FA」の再来を招き議論が白熱しているが、幸せは実力で勝ち取るものなのだ。 (たな)

18  武田 翔太  (たけだ しょうた)  1993年4月3日生まれ
右肘TJ手術明けで昨季13年目にして初の一軍登板なし。米国でリハビリを重ね今季前半での復帰を目指す。現地では24年ド軍開幕投手グラスノー投手の薫陶を受ける百折不撓な一面も見せ、このままでは終わらない。 (たな)

20  村上 泰斗  (むらかみ たいと)  2007年3月20日生まれ
神戸弘陵高からドラフト1位
中学までは捕手で本格的投手転向は高校入学後という超素材型ドラ1。県大会ベスト8が最高も、2年半で最速153km/hまで達し伸び代にあふれる。育ててもらうよりも、自ら道を切り開きスーパーエースになるぞ! (たな)

26  大津 亮介  (おおつ りょうすけ)  1999年1月13日生まれ
先発に転向した昨年は7勝を挙げ球宴初出場、また、今年3月には僚友杉山とともに初の侍J入りを果たした。スリムなボディーで1シーズン投げ切るスタミナが課題も、「2桁勝利は絶対。規定回数ですね」と意気込む。 (たな)

27  岩井 俊介  (いわい しゅんすけ)  2001年7月30日生まれ
シーズン15試合登板、9月に初勝利を手に。日本シリーズという大舞台でのピンチも、見事に抑える強心臓の持ち主。新加入の上茶谷投手のモノマネを本人の前で披露するも微妙な出来に周りの選手は総スルーの場面も。 (たま)

28  安德 駿  (あんとく しゅん)  2002年5月18日生まれ
富士大からドラフト3位
富士大6人衆のひとり。同大学安田監督は高校時代最速133km/hだった安德を「投球フォームのバランスや指のかかりが良い」という長所に惚れ込んで、4年間で最速152km/hにまで伸ばしプロに育て上げた。 (たな)

34  村田 賢一  (むらた けんいち)  2001年8月31日生まれ
昨季一軍での登板は1試合のみ、同期入団組の投手陣に出遅れ悔しい思いをした。春季キャンプはB組スタートも、すぐA組へ合流。「今までやってきたことをやるだけ」と気合。シーズン中に先発ローテに食い込みたい。 (たま)

35  L.モイネロ  (リバン・モイネロ)  1995年12月8日生まれ
野球センスの塊。先発転向して一番の楽しみが「打席に入れること」。昨年は交流戦、左打席で150km/hの速球を弾き返し初安打を記録したが、少年時代から両打ちのため右打席での快打にも熱い思いを馳せている。 (たな)

39  尾形 崇斗  (おがた しゅうと)  1999年5月15日生まれ
日本シリーズではチーム最多の4試合に登板、気迫あふれる投球で存在感を示した。今季は最速157km/hの速球を生かし、更に奪三振率を高めるべく「キックチェンジ」という新変化球習得にもチャレンジしている。 (たな)

40  杉山 一樹  (すぎやま かずき)  1997年12月7日生まれ
昨季は先発オファーを断り、敢えて中継ぎ志願で50試合に登板。14ホールドに初セーブも記録し大活躍した。今年の目標は「丁寧に生きる」。ケガで離脱時癒してくれた愛犬ビビに贅沢をさせたいと話す心優しい剛腕。 (まみこ)

41  前田 悠伍  (まえだ ゆうご)  2005年8月4日生まれ
オフはカブス今永投手らと自主トレを敢行。「脱力」をメインテーマに、力感がなくても直球の威力が増すように体の芯を鍛え抜いた。投げる哲学者のエレメンツが高いポテンシャルと反応し、2年目の飛躍を後押しする。 (たな)

42  伊藤 優輔  (いとう ゆうすけ)  1997年1月14日生まれ
巨人から移籍
春の選抜で小山台を都立高初出場に導いた速球派がやってきた。中大の先輩でもある阿部監督の秘蔵っ子。巨人入団後はTJ手術で出遅れたが、昨季は二軍でブレイクし、今季は鷹でMake It Possible! (壬)

47  大関 友久  (おおぜき ともひさ)  1997年12月14日生まれ
昨季はキャリアハイとなる8勝をあげた。和田毅氏や工藤公康氏の練習から影響を受け、長く活躍できるようランニングの量を増やした。今季は13勝・160イニング投球を目標にあげ、昨年逃した日本一を取りに行く。 (たま)

48  藤井 皓哉  (ふじい こうや)  1996年7月29日生まれ
魔球を操る苦労人に、再びピンチとチャンスが訪れた。昨夏発症した腰痛に苦しむも、カウント球のカットボールを習得中。謎の軌道を描くフォースラとの併用で、打者は魔界に迷い込む。レベルアップで、無事行こうや。 (壬)

49  松本 晴  (まつもと はる)  2001年2月24日生まれ
昨年末、プエルトリコのウインターリーグで藤浪晋太郎投手と同チームに所属。「ミサイルのような球」に衝撃を受けた。球速の差は一筋縄では埋まらないが、さすがに蠅は止まらない。総合力で先発最後の枠を勝ち取る。 (たな)

50  板東 湧梧  (ばんどう ゆうご)  1995年12月27日生まれ
昨年は一軍登板なし。「絶対に原因があるから、そこを改善するだけで良くなる」という大先輩和田毅氏の言葉を胸に何としても一軍のマウンドに返り咲く。好きなうどんの具はちくわの磯辺揚げ、ソースと七味を添えて。 (たま)

51  前田 純  (まえだ じゅん)  2000年6月4日生まれ
昨季7月に支配下登録。高校3年間一度もベンチ入りできなかったが、日本文理大に進学しホークスOBの吉川輝昭コーチとの出会いが出世魚となるきっかけだった。今季は新たな師、和田毅氏との自主トレからスタート! (たな)

53  大山 凌  (おおやま りょう)  2002年3月27日生まれ
ルーキー年は18試合に登板、初勝利も挙げたが秋以降は調子を落とし、父栄幸さんからは「顔が死んでたな」と評された。遠距離恋愛を実らせ結婚、パパにもなった2年目、七色の変化球で生き残りシーズンを完走する。 (たな)

54  R.オスナ  (ロベルト・オスナ)  1995年2月7日生まれ
昨年5月、日米通算200セーブを達成。途中故障による離脱もあって、もどかしい思いで「ただ本当に、今年は皆さんに申し訳なかったという気持ちが強いです」と。周囲の支えに感謝しつつ日本一を目指す。 (たま)

56  田浦 文丸  (たうら ふみまる)  1999年9月21日生まれ
貴重な中継ぎ左腕。昨季は左肩腱板損傷のため登板はわずか4試合。大幅減俸をのみ臥薪嘗胆の今季は、50試合登板を目標に巻き返しを誓う。高校時代MLBスカウトを唸らせた変幻自在の投球が復活する8年目の春だ。 (たな)

58  木村 大成  (きむら たいせい)  2003年9月12日生まれ
高卒3年目だった昨シーズンは、9月のウエスタン阪神戦で2番手登板、4回のロングリリーフを無失点の好投で、公式戦初白星をあげた。4年目となる今季は故郷北広島エスコンでの登板と、一軍での5勝が目標。猫派。 (たま)

59  長谷川 威展  (はせがわ たけひろ)  1999年8月9日生まれ
現役ドラフト移籍初年は、4勝を挙げてVに貢献した横投げ左腕「タケコバー」(エスコバーに似たフォームから)。古巣のレジェンド・宮西投手を師に妥協なく走り抜いた自主トレを糧に、気合の大声投法で圧倒する。 (たな)

60  大野 稼頭央  (おおの かずお)  2004年8月6日生まれ
プロ3年目の今季は「一軍登板」が目標。ローテーション争いに参戦したい。故郷の鹿児島県龍郷町で行われた20歳の集いに、大島紬を着て出席し今年の抱負を語った。挑戦したいことは「新しい自分を見つけること」。 (たま)

63  D.ヘルナンデス  (ダーウィンゾン・ヘルナンデス)  1996年12月17日生まれ
オスナ・松本が不在期間は守護神を務め、シーズン初登板から26イニング連続奪三振のNPB記録を達成した。オフに11kgの減量に成功、アスリート体型に変身したが、日本の料理が大好きなのでリバウンドが心配。 (たな)

64  上茶谷 大河  (かみちゃたに たいが)  1996年8月31日生まれ
DeNAから現役ドラフトで移籍
ナインへの自己紹介は「メキシコから来ました上茶谷大河です」(メキシコ冬季リーグから帰国直後のため)。右肘手術となってしまったが早期復帰を願う。きっと面白いだけではない、というところを見せつけてくれる。 (たま)

66  松本 裕樹  (まつもと ゆうき)  1996年4月14日生まれ
昨年6月、10年目にしてプロ初セーブを記録。オスナ投手の不調離脱後は守護神を務めたが9月右肩痛のため戦線離脱。小久保監督は「(調整を)慌てさせない」と「まっちゃん」への変わらぬ信頼を寄せる。 (たま)

68  木村 光  (きむら ひかる)  2000年7月2日生まれ
173cmと投手としては小柄も、球速以上に打者を圧倒する右腕だ。佛教大学の先輩大野雄大(D)に負けない抜群の制球力もウリ。北山(F)と親交を持ち、教授の講義でマウンドでのメンタルやルーティンを学ぶ。 (たな)

69  岩崎 峻典  (いわさき しゅんすけ)  2003年3月11日生まれ
東洋大からドラフト6位
2019夏の甲子園で2年生時に胴上げ投手に。「あの時の経験がその後の野球人生に大きな影響があった」。東洋大では先発中継ぎ両方の経験あり。即戦力としての活躍が期待される。リラックス法はサウナに入ること。 (たま)

ピンクフルデー2024  撮影:祁答院まみこ/文春野球学校