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その後、彼女は病気にもならず、円満な結婚生活が続いたというが、文化13年(1816)に京伝が死去すると、狂死したと伝えられる。これも女郎時代にさかのぼるなんらかの病気が原因だった可能性は高そうだ。
ところで、大田南畝や山東京伝が身請けするなどした女郎は、だれも子供を産んでいない。女郎は性行為を重ねすぎ、さらには性病の影響もあって、妊娠しにくい体質になっていたといわれる。一方、瀬川は鳥山検校が罰せられたのち、「再婚」して子供を2人もうけた、という説がある。これが本当であれば、瀬川はまだ幸せだったといえる。
香原 斗志(かはら・とし)
歴史評論家、音楽評論家
神奈川県出身。早稲田大学教育学部社会科地理歴史専修卒業。日本中世史、近世史が中心だが守備範囲は広い。著書に『お城の値打ち』(新潮新書)、 『カラー版 東京で見つける江戸』(平凡社新書)。ヨーロッパの音楽、美術、建築にも精通し、オペラをはじめとするクラシック音楽の評論活動も行っている。関連する著書に『イタリア・オペラを疑え!』、『魅惑のオペラ歌手50 歌声のカタログ』(ともにアルテスパブリッシング)など。
歴史評論家、音楽評論家
神奈川県出身。早稲田大学教育学部社会科地理歴史専修卒業。日本中世史、近世史が中心だが守備範囲は広い。著書に『お城の値打ち』(新潮新書)、 『カラー版 東京で見つける江戸』(平凡社新書)。ヨーロッパの音楽、美術、建築にも精通し、オペラをはじめとするクラシック音楽の評論活動も行っている。関連する著書に『イタリア・オペラを疑え!』、『魅惑のオペラ歌手50 歌声のカタログ』(ともにアルテスパブリッシング)など。
