Q「サボり方を思いついた」と自慢する息子。治るでしょうか。
我が家の息子は小学生ですが、悪知恵が働くというかズル賢いところがあります。ダークヒーローに憧れているようで、本棚には悪者が主役の漫画がいっぱいです。先日も、「新しい学校のサボり方を思いついた」と、自慢げに話して来たので叱りつけました。実際にサボるわけではないのですが、そんなことを考えつくこと自体、末恐ろしく、そのうち何かを仕出かすのではと心配になります。どうすれば治るでしょうか?(36歳・女性・地方公務員)
A 俺は、悪知恵も知恵のうちだから、ちゃんと学んでおいたほうがいいと思うんだよ。
悪知恵が働くというのは見方を変えれば、悪党の考えそうなことが分かるということ。世の中は善人ばかりじゃないからね。イカサマのやり方が分からないと、イカサマから自分の身を守れない。
俺も長く仕事をやっていると、変な契約書にサインして騙されたり、商品の取り込み詐欺にあったりと、いろいろな目にあったことがある。そんな時に参考になったのがやっぱりマンガ!「ナニワ金融道」や「ミナミの帝王」を読みながら、悪党のいろんな手口を学んできた。
悪党の動きを想像してるうちに、だんだん悪知恵を考えるのが得意になってきてね。たぶん「ライアーゲーム」とかやらせたら優勝できるんじゃないかな(笑)。
だけど、そうやって身につけた悪知恵を、俺が仕事で使うかといえば、そうはならない。
それは罪悪感というのもあるけど、損得でいっても割に合わないから。悪知恵で一時的に荒稼ぎをしても、相手に「騙された〜」とか「まんまとやられた〜」とか思われるのは、長い目で見たら損なんだよ。
出会った人たちを騙して敵を増やしていけば、居場所はどんどん狭くなる。それより、味方を増やして世界を広げたほうが、将来「ボロ儲け〜!」になりやすいんだ。
仕事というのは信用を積み重ねていけば、稼ぎは自然と多くなっていくもの。だけど時間がかかるから、手っ取り早く稼ぎたい奴が悪巧みをして、これまた手っ取り早く稼ぎたい奴が悪巧みに引っかかる。
悪巧みに引っかからないために悪知恵を学び、敵を作らないために悪知恵は使わない。専守防衛の自衛隊みたいに、持ってても使わない「悪知恵ウェポン」が一番いいね。
悪巧みは精神的にも経済的にも損
だから、子供が悪知恵を思いついたときは「なるほど〜、頭いいね!」と褒める。そして一方で、悪巧みは精神的にも経済的にも損だと教えてあげれば、悪を知ったからといって悪を行うことにはならないと思うよ。
そして、それでも子供が悪さをしたら、思いっきり叱ろう。幼いうちにいろいろやらかしてくれた方がラッキーだよ。それを教えるチャンスができるからね。「しめしめ叱るチャンスができた」と心の中で思いながらも、迫真の演技で怒ろう。
そのあと、子供が泣いて謝ってきたら、最後はギュッと抱きしめてやると、ドラマみたいにハッピーエンドだね(笑)。
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