肉は、種類や部位によって効果に差がある。次の「老けない肉ベスト10」を見てほしい。「老けない肉」とは何かというと、同じ100gあたりで比較した時に、タンパク質の割合が高い肉だ。
見た目で言えば、赤身が多い肉。赤いところに、老けないためのアミノ酸や抗酸化物質、鉄分がぎっしり詰まっている。
東京医科歯科大学臨床教授で日本臨床栄養協会評議員を務める大和田潔医師(秋葉原駅クリニック)が解説する。
「肉はおよそ5~7割が水分で、残りが『タンパク質』や『脂質』から構成されます。その割合によって、肉の柔らかさや栄養素量が変わってくるんです。農作業や工事の作業員など日常的に体を動かす人なら、脂質が高い肉を摂っても効率の良いエネルギー源になります。しかし、平均的な活動量の人が脂質の高い肉を摂ると、体内で消費できずに脂肪となって蓄積されてしまいます」
脂質が多い肉を食べたほうが、肌がツヤツヤしそうなイメージを持つ人もいるかもしれないが、脂が皮膚を作るわけではない。新しい皮膚の再生に必要なのは、あくまでアミノ酸(タンパク質)だ。
鶏肉の皮は弱火でじっくり
老けない肉1位である鶏肉はどれを選んでもいいが、特にむね肉は高タンパクで低脂質の代表格で、鶏むね肉料理が2017年の「今年の一皿」(ぐるなび総研)に選ばれるなど近年、知名度は一気に高まった。
鶏肉は抗酸化物質が多く含まれ、体内の酸化を防ぎ、老いを遠ざける。
調理指導師協会会長で管理栄養士の堀知佐子氏によると、「4位の鶏むね皮つきには、若返りに必須のコラーゲンがたっぷり含まれている」という。コラーゲンは動物の皮膚に多く含まれるが、豚や牛の場合は毛を落とせないため食べられない。
「コラーゲンが不足すると肌にたるみができたり、かさつく原因になりますから、老けないためには、鶏肉の皮を大事にしたほうがいい。冷たいフライパンの上に皮目を下にして鶏肉をのせ、強火でなく弱火でじっくり焼くと余計な脂が取れて、コラーゲンは肉の中に残るのでおすすめです」(堀氏)