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「ヒレ肉」はなぜおすすめ?

 前出の板倉医師は、ランキングの2位、5位、10位につける「ヒレ肉」をすすめる。

ヒレ肉 ©iStock.com

「筋肉を強化する『ロイシン』、神経伝達物質セロトニンの原料である『トリプトファン』など、体内で作られない、さまざまな必須アミノ酸が肉のタンパク質には含まれます。とりわけヒレ肉はロイシンやトリプトファンが豊富で、筋肉量の低下を予防し、心を前向きにするセロトニンを生みだして、老化予防に役立つとされています。脂身が多い肉ほどロイシンやトリプトファンの比率が少なくなってしまいます」

 豚肉や牛肉の良い点は何か。

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 豚肉は、あらゆる食品の中でビタミンB1の含有量が群を抜いて多い。ビタミンB1は、糖質が体内でエネルギーに変わる際に必要な栄養素で、不足すると疲労物質が体内に蓄積され、疲労感が強くなる。

「牛肉にはアンセリンやカルノシンといった抗酸化物質が多く、活性酸素を消去したり、炎症の抑制にも効果がみられ、抗老化が期待できます。鉄分もたっぷり含まれ、貧血の人にいいでしょう」(同前)

 貧血を放置していると、酸素や栄養素を含んだ血液が全身に行き届かず、老ける要因になる。鴨肉も鉄分が豊富で貧血を改善するが、皮下脂肪が多く、脂質の割合がかなり高い。

 一方で馬や鹿、鯨の赤肉は、高タンパクで鉄分も牛肉並だが、低脂質のためおいしさの点で好みが分かれるかもしれない。

しっかり噛む必要があるラムも若返り効果アリ

 8位にランクインしているラム肉(羊の肉で生後1年未満のもの)は、近年海外で注目されている。

ラム肉 ©iStock.com

 アンチエイジングと食に詳しい管理栄養士の望月理恵子氏が語る。

「ラム肉にはカルニチンという成分が含まれ、たるんだ体を引き締める効果があります。脂肪はカルニチンと一緒でないと、燃焼して消費できません。さらに最近の研究では、カルニチンは脳内に移行してアセチルコリン(脳内神経伝達物質)の産生を促し、老化やアルツハイマー型認知症による記憶力低下を防ぐ可能性も指摘されています。

 また、ラム肉は他の肉よりしっかり噛む必要がある点も、老化防止につながります。噛んで唾液が出ると、唾液中のパロチンという成分が筋肉や骨の発達を促進するので、若返り効果があります」