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健康のために週に2回のステーキを

 また、表面積が広く酸化が進みやすい「ひき肉」よりも「スライス肉」、スライス肉よりも「ブロック肉(ステーキなど)」がいい。堀氏は「週に2回のステーキ」をすすめる。

 肉を焼くときに焦げてしまうと、タンパク質が変性して栄養素にならない。「オーバークッキング」にも気をつけたい。

ステーキ ©iStock.com

「特に脂身が少ないところは必要以上に加熱すると肉がパサパサになってしまいます。中心部が75度に達すれば安全に食べられるので、強火でバチッと焼くより、弱火でじっくりがコツです」(堀氏)

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 食べ合わせの工夫によっても、若返り効果を高めることができる。

「鉄分が豊富な牛肉は、鉄の吸収を促進するビタミンCと一緒に摂ると貧血予防に一層効果を発揮します。美肌効果を高めるなら、β‐カロテンを含む緑黄色野菜とセットで。

 豚肉にはビタミンB1が多いですが、玉ねぎやニンニクなどと炒めることでアリチアミンという成分ができ、疲労回復効果が高まる。

 ストレスも老化のスピードを左右しますが、鶏肉はメチオニンという必須アミノ酸を含み、ストレス緩和に働くといわれます。ニンニクなどと一緒に摂ると吸収率や代謝が高まるでしょう」(五十嵐氏)

肉を食べるのに最適な時間帯とは?

 肉を食べる最適な時間もある。抗加齢医学の国際的権威であるクロード・ショーシャ博士から指導を受け、約30年高齢者医療に関わってきた和田秀樹医師は「肝臓の働きが活発な朝食か昼食に肉を摂る」ことをすすめる。

「肉に含まれるアミノ酸を分解したり、それをもとに組織を合成するのが肝臓の働きです。18時以降は肝臓の働きが悪いため、肉を摂ってもかなりの割合で無駄になる可能性がある。胃の機能は昼の12時が最大。この時間に肉を食べると、胃もたれも起こしにくい」

 臓器にはそれぞれ活発に働く時間帯があるのだ。

 1日に最低限必要なタンパク質の量は、体重1kgあたりおよそ1g、体重が50kgの人であれば50gになる。鶏むね肉(皮なし)なら約210g、豚もも肉なら約250gを食べれば、必要量が摂れる計算だ。

 しかし、「年を取るほどもっと肉を食べたほうがいい」と和田医師。

「診察していると、日本人は肌ツヤなどからタンパク質が足りていないと感じる。さっぱりしたものを好む人ほど、見た目が老けていることが多いです」

 老けない栄養素の宝庫である肉を、毎日の食事にしっかり取り入れたい。