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恐怖の桜田義孝五輪相
前日の桜田氏のしどろもどろについては読売は一文字も書いていないのだ。しかし見出しは「野党追及 迫力欠く」。これは「そんな話はいいから早く入管法改正をすすめろよ」という読売の力業であろうか。読売が「いなかったことにする」しか対処法がないほど、桜田しどろもどろパワーは強烈だったことがわかる。
私の推測どおりに、読売は翌日の社説でそのイライラを書いてきた。
「政策の本質突く論戦を目指せ」(11月7日)
・政府と与野党は、建設的な論戦を心がけねばならない。
・焦点は、外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理・難民認定法改正案だ。
・入り口の議論にとどまるのではなく、改正案の狙いや問題点について審議を尽くすべきだ。
上記の主張を読むと、やはりウチの「スクープ」どおりに論議を尽くせ、と檄を飛ばしているように思える。
そして最後に読売の社説はこう書いた。
《野党の追及に対し、片山氏は口利きを否定した。事実関係を精査し、説明責任を果たすべきだ。新閣僚の心もとない答弁が散見される。緊張感を持って真摯(しんし)に職責を果たすことが大切だ。》
ここでも片山氏の名前は出しても「桜田義孝」の名前は出さない読売。「新閣僚の心もとない答弁が散見される。」と“小声”で桜田氏に注意した。
他紙にとって政府の政策を次々に「スクープ」する読売はまさに恐怖新聞であるが、その論議を潰しかねない桜田五輪担当相は読売にとって「恐怖」の存在なのかもしれない。
全員野球、まだ国会は始まったばかりである。