地球の奥深くで悠久の時をかけて形成されるダイヤモンド。その輝きは現在、研磨技術の進歩により最大限に引き出されている。多彩な意匠や稀有なカラーダイヤモンドは名状しがたい美しさだ。
※文中の表示はPt=プラチナ、WG=ホワイトゴールド、YG=イエローゴールドを表します

Cartier(カルティエ)
ぐるりと囲むダイヤモンドが自ら発光しているような、視線を惹きつけるリング。シンメトリー(対称性)とリフレクション(反射)をテーマに、長方形のバゲットカットと円形のブリリアントカットを交互に配列。精緻な建築美とリズミカルな流麗さを宿す。リング「リフレクション ドゥ カルティエ」 ダイヤモンド×WG ¥10,692,000参考価格(カルティエ カスタマー サービスセンター☎0120-1847-00)
至高の光を包む完璧な構図
人類がダイヤモンドと出合ったのは紀元前のインドといわれている。非常に堅固で壊れない宝石は戦士の魔除けとなり、王の権威を示した。中世ヨーロッパでは王侯貴族がこぞってこれを求め、15世紀のカット技術の飛躍的な向上とともに美の極みに上り詰める。ただし、それは男性の護符や装飾品としての話。現代のように女性が陶酔するようになったのは、長い歴史で見ればつい最近のこととなる。20世紀のアメリカでは企業の戦略により婚約時にダイヤモンドの指輪を贈るという習慣が流行。ハリウッドスターたちのエピソードとともに憧れの宝石として君臨した。幾度もの恋を生きた俳優エリザベス・テイラーが夫からもらった石の大きさは、いまなお伝説だ。
一方で、世界に巻き起こったダイヤモンド旋風から多くが掘り尽くされ、枯渇し、鉱山は次々と閉鎖している。永遠の輝きと同時に、有限であることに気付いた今、人々はその希少性に一層惹きつけられている。

1970年、アカデミー賞授賞式のエリザベス・テイラー。胸には69.42カラットのダイヤモンドが燦然と輝く。数々の巨大ダイヤモンドを産出した南アフリカのカリナン鉱山で発掘 ⒸGetty / Kyodo
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