備蓄米の放出は政治家の人気取りだ
「『令和の米騒動』は農政の長年の失敗が招いたことではないか」
「そのツケを農業の生産や卸の現場に払わせようとしていないか」
本稿のために取材した稲作農家たちが、いま真っ先に訴えたいことを凝縮すれば、こんな不満と不安が入り混じった声になる。
「米は足りている」。農林水産省は2024年からずっと言い続けてきた。
ところが2025年3月に入り、米の小売価格が前年同期比で倍以上になるや否や、政府は備蓄米を放出するという荒業に出た。国民に食糧を安定的に供給する「最後のカード」はいとも簡単に切られてしまった。
需給への拙速な政治介入は、農業の経営と産地の将来さえ危うくしかねない。しかも、政府はこれまで減反してきたのを今度は一転し、米を増産する方針を掲げた。だが、生産現場は農家の高齢化やその急激な減少で疲弊している。そんな実情を無視したかのような政府の方針転換に、稲作農家たちの反発は強い。
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source : 文藝春秋 2025年9月号 プロ米農家の農政への大不満

