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最大の原因は人事権乱用
9月号、森功氏の『日枝久・フジサンケイグループ前代表 独占告白10時間』を大変興味深く読んだ。
「中居事件後初のインタビュー」ということで、森氏の鋭い質問によって事件の本質が改めて浮き彫りになった。
日枝氏本人は否定しているが、最大の原因は長期政権による人事権の乱用ではないか。権力維持のために実力本位ではなく周囲をイエスマンで固め、結果として有能な後継者が育つ環境を失った。
今回のように会社の一大事に直面した際に「フジの執行部は逃げる連中ばっかり。これがうちのウィークポイント」と発言するのも、当然の帰結である。会長・社長の人事を仕切ってきた当人でありながら、他人事のように語る姿勢に「経営トップの製造責任」は見られない。
インタビューの随所で会長・社長を「𠮟っておいた」と言うのも気になった。年長の相談役とはいえ、現トップへの敬意は感じられず、自らのカリスマ性を誇示する発言ばかりが目立った。政治の世界では現職総理に対して、大先輩や元総理であってもまず敬意を表するのが通例であるのに、である。
なにより悔やまれるのは、被害女性に対し「経緯や真相はさておき、このような事態となったことに同じ会社で働く者として遺憾に思い、責任を感じている」といった言葉が一言もなかったことだ。
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source : 文藝春秋 2025年10月号

