▼〔豊かなスイートポテト〕
茨城県鉾田市で100年続く農家によるスイーツ専門店が、「ファームパティスリー ル・フカサク」だ。土づくりからこだわり、丹精込めて栽培した野菜や果物を使ったスイーツは、ひと味違う。
なかでもおススメは、最高品質のサツマイモ「紅はるか」を使ったスイートポテト『鉾(ほこ)ほくポテト』。まずは専用オーブンで、サツマイモを焼き芋にする。手間のかかる工程だが、これによってサツマイモのやさしい甘さが倍増し、口どけが滑らかになるという。スイートポテトを口に入れると、すーっと溶けていくのには驚いた。それでいてバターや生クリームのコクも味わえ、豊かな気分に。これまでのスイートポテトのイメージが覆される。6個入り、税込1,950円。(問い合わせ先・ファームパティスリー ル・フカサク ☎0291-32-8732)
▼〔山のフカヒレ〕
秋田県の田沢湖周辺は、キノコの宝庫として知られる。10月末から12月初め頃まで採れる『ムキタケ』は、薄皮を剥いて食すことからその名が付いた。形とツルッとした食感から、「山のフカヒレ」とも呼ばれる貴重なキノコだ。
「田沢湖山幸園」では、『天然ムキタケ』(500グラム、税込1,900円)を販売している。おススメの食べ方は、刺身だ。薄皮を剥いてから沸騰した湯で10分ほど茹で、氷水で冷やす。『天然山わさび』(300グラム、税込2,100円)をすり下ろし、醤油で食べると、ホタテの刺身のようだ。エビなどの海鮮と一緒に、中華スープに入れても美味しい。(問い合わせ先・田沢湖山幸園 ☎0187-46-2235)
▼〔米粉のお菓子〕
栃木県茂木町の「道の駅もてぎ」は、敷地内から真岡鐵道のSLの疾走風景が眺められる人気のスポット。
その中にある洋菓子工房が、カフェスペースも併設されている「バウム工房ゆずの木」だ。同店の人気ナンバーワンが、『米粉バウムクーヘン』。主原料の米には良品質の茂木町産コシヒカリを100%使用し、精米したての米を自家製粉して米粉にしている。そこに新鮮な卵を加え、一本一本丁寧に焼き上げた。『ソフト』(税込1,120円〜)は、しっとり、もちもち、ふわふわの食感。『ハード』(税込1,520円)は、外はサクサク、中はしっとりの新食感バウムクーヘンだ。どちらも香ばしく、米の甘みが広がる。(問い合わせ先・道の駅もてぎ バウム工房ゆずの木 ☎0120-94-0744)
▼〔天から授かった柿〕
柿の美味しい季節となった。2009年に品種登録された『太天(タイテン)柿』は、四角く扁平な形で、重さは約500グラム。一般的な富有柿が250グラム前後なので、ほぼ2倍の大きさだ。『太天柿』は渋柿の一種。最適な脱渋をおこない甘くなった柿は、サクサクとした食感。果汁がたっぷりで、甘さが際立つ。その名に「天から授かったすばらしい大きな果実の柿」という意味が込められているのも納得の、満足ある食べ応えだ。
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source : 文藝春秋 2019年12月号