まろやかなお酢、サンマの飯鮨・・・・・・

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▼〔まろやかなお酢〕

 20世紀梨は、鳥取県が誇る特産品。滴るほどたっぷりの果汁と上品な甘みが特長だ。これを果実酢に仕立てたのが、「AONケミカル」が販売する『20世紀梨酢』である。

 鳥取県は20世紀梨の生産量が全国1位で、国内生産量の5割以上を占める。その一方で、生産量の1割が規格外を理由に廃棄されている。同社では、大量の規格外の梨を活用しようと、鳥取大学とともに果実酢づくりに挑んだという。

 収穫後1週間以内の、新鮮で完熟した20世紀梨を100%使用し、自然発酵させた醸造酢は、20世紀梨の特長である上品なまろやかさを受け継いでいる。酢独特のツーンとした刺激臭が少なく、素材を活かした料理に最適だ。牛乳で割って蜂蜜を加えると、甘酸っぱいヨーグルト風味のドリンクに。300ミリリットル入り1,000円+税。(問い合わせ先・AONケミカル ☎0857・30・0308)

▼〔サンマの飯鮨〕

「飯鮨(いずし)」は、魚に飯を加えて漬け込み、乳酸発酵によって旨みを引き出した日本の伝統的な郷土料理だ。冬の保存食としても知られ、正月料理には欠かせない。

 北海道函館市で半世紀以上にわたり飯鮨を作り続けているのが、「山喜石田水産」だ。種類は紅サケ、ニシン、ホッケなどいろいろあるが、『さんま飯鮨』はクセが少なく食べやすいと評判。北海道の道東で旬の時期に獲れた脂ののったサンマを、道産米と糀で漬け込み、じっくりと熟成させた。肉厚のサンマはしっとりとやわらかく、まろやかな酸味と魚の旨みが調和し、さっぱりとした味わいだ。ワサビ醤油で食べると、美味しさが増す。酒のお供に、ご飯のおかずに楽しめる1品だ。500グラム入り1,450円+税。(問い合わせ先・山喜石田水産 ☎0138・51・8809)

▼〔小さくても贅沢〕

 東京都小金井市の「コガネイチーズケーキ」では、「食べて後悔しないケーキ」をコンセプトに、白砂糖や合成甘味料などの添加物を使用せず、ドライフルーツやきび砂糖などで甘さ控えめに作られたケーキを販売する。

『朝ごはんチーズケーキ』は、忙しい日の朝にぴったりだ。北海道産の無添加クリームチーズと生クリームで作ったチーズケーキをベースとして、レーズンやアプリコットなど砂糖不使用の6種のドライフルーツと、アーモンドやカボチャの種など無添加の5種のナッツをぎっしりと詰め込んだ。形は2口くらいで食べられるキューブ状。小さくても十分な食べ応えで、栄養も豊富だ。5個入り1,400円+税。(問い合わせ先・コガネイチーズケーキ ☎042・407・2038)

▼〔招き猫と出会う〕

 ついに消費税10パーセントだ。江戸時代以来の金運アイテム・招き猫にご利益をいただいてみてはどうか。

 愛知県瀬戸市の「招き猫ミュージアム」では、約5,000点の招き猫を展示している。学芸員の井上美香さんが「招き猫のイメージを覆す展示物との出会いに、皆さん驚かれます」と語るように、酒瓶・玩具・本・割り箸の袋などに描かれる、多彩な招き猫がワンフロアに集結している。

 日本一の招き猫メーカー・「中外陶園」が運営する同館では、本格的な招き猫製作体験も可能だ。呉須(ごす)という顔料で瀬戸物に絵付けをすると、高熱の窯で焼き上げてくれる。料金は300円からと破格だ。招き猫作家による一点物の販売も。購入後に宝くじに当選したという感謝状が届くこともあるという。(問い合わせ先・招き猫ミュージアム ☎0561・21・0345)

▼〔伝統芸能の声を聴く〕

 講座を通じ、京都の伝統工芸の世界の扉を開く「京都の伝統工芸講座」の後期日程がはじまった。国内唯一のマンガ学部をはじめ、ユニークな試みで知られる京都精華大学が主催する無料の連続公開講座だ。一線で活躍する講師陣を迎え、来年1月22日までの毎週水曜に開講。

 10月16日は重要無形文化財「友禅」保持者の森口邦彦氏が作家の目線で語る「友禅染 〜技術と造形的試行」、同月23日は黒谷和紙の紙すき職人、林伸次氏がリアルな現場の声を展開する「和紙について 〜製紙現場から」が予定されている。伝統とは、すなわち革新。聴く側にとってもエキサイティングな時間になるはずだ。会場は京都精華大学「黎明館」1階L-101、午前10時40分から午後12時10分。事前申し込みは不要。(問い合わせ先・京都精華大学 教務チーム ☎075・702・5119)

【展覧会のご案内】

 ◆古川美術館特別展

「髙山辰雄 平松礼二 松村公嗣〜文藝春秋表紙絵とその芸術」

【会期】2019年10月19日(土)〜12月8日(日)

【会場】古川美術館

 住所:愛知県名古屋市千種区池下町2-50

 ☎052・763・1991

 ◆愛知県立芸術大学学長退任記念 松村公嗣展―巡る―

【会期】2019年11月2日(土)〜11月17日(日)

【会場】松坂屋美術館

 住所:愛知県名古屋市中区栄3-16-1

 ☎052・264・3611

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source : 文藝春秋 2019年11月号

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