『知性の未来』マックス・ベネット/新潮社
『PLURALITY』オードリー・タン、E・グレン・ワイル、〓コミュニティ/ライツ社
『シン・関ヶ原』高橋陽介/講談社現代新書
『知性の未来』は間違いなく、今年読んだなかでもっとも刺激的な1冊。著者はAIテクノロジー企業の創業者で、研究者ではないが、だからこそあらゆる知の領域を縦横無尽に越境し、神経系をもつ動物が誕生した約30億年前から生成AIの登場までを、わずか五つのブレイクスルーによって説明するという大胆な試みに挑戦できた。最後には、知性が生物学的制約から自身を解放する第六のブレイクスルーが遠望される。面白い科学読み物を探しているのなら、年末年始を本書にあてる価値はじゅうぶんにあるだろう。
AIをはじめとして、指数関数的に「進化」するテクノロジーが社会を大きく変えつつあることが実感されるようになってきた。それに合わせて、進歩を「加速」させ、死や老化を含むあらゆる問題をテクノロジーで解決しようとするテクノ・リバタリアンが大きな影響力を行使しているが、旧態依然のリベラルは、彼らに「悪」のレッテルを貼りつけて罵詈雑言を浴びせるだけだ。

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