チェンソー男 マスクの恨みと怒り

大特集 トランプ劇場まるわかり

櫛田 健児 カーネギー国際平和財団シニアフェロー
ニュース 社会 政治 国際

「これは官僚機構に切り込むチェンソーだ!」

なぜ彼はコストカットに突き進むのか?

2025年2月20日、保守派イベント・保守政治行動会議(CPAC)に登場したイーロン・マスク。手渡されたチェーンソーを振りかざし、「これは官僚機構に切り込むチェーンソーだ」と叫んだ ⒸEPA=時事

 3月6日、ホワイトハウスで非公開の閣議が行われました。テーマはイーロン・マスクが主導する「政府効率化省(Department of Government Efficiency、通称“DOGE(ドージ)”)」による人員削減について。ドナルド・トランプ大統領肝煎りのDOGEのトップとして、マスクは行政各府に対し、人員削減とコストカットを行うように圧力をかけています。

 閣議が続くうちにマルコ・ルビオ国務長官とマスクは口論になり、トランプ大統領が仲裁することになったと「ニューヨーク・タイムズ」が報じました。マスクがルビオ国務長官をこう批判したのです。

「ルビオ国務長官が管轄する国務省はまったく職員を解雇しようとしない! ルビオ氏は人員削減に失敗したんだ」

 これを聞いてルビオ国務長官は立腹します。そもそもマスクのチームによって、自身の管轄下にあった対外援助機関である国際開発庁(USAID)の閉鎖・解体を一方的に通告されていたことに加えて、この非難はいわれのないものだったからです。彼はこう反論しました。

「マスク氏は真実を語っていない。国務省は1500人以上の早期退職者を集めた。彼らは人員削減とは見なされないのか? それとも、もう一回雇って解雇すればいいのか? そうすれば満足か」

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source : 文藝春秋 2025年5月号

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