〈鴻海〉現地取材で分かった「日本車メーカーの勝ち筋は“台湾協業”にあり」

井上 久男 ジャーナリスト

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EV事業の最高戦略責任者を務める、元日産・ニデックの関潤氏が語った“日本市場攻略車”の実力とは――

急速な変化を遂げた鴻海

「我々は労働集約型の企業から、技術集約型の企業に転換している」

 台湾最大のメーカーである鴻海(ホンハイ)精密工業の劉揚偉(ヤング・リウ)会長兼CEO(最高経営責任者)は11月21日、「HHTD(鴻海テックデー)」で胸を張って語った。「HHTD」は今年で6回目となる同社の技術展示会で、台北市内で開催された。その冒頭で劉CEOが鴻海の戦略などを説明したのだ。

記者会見する劉CEO(筆者撮影)

 鴻海に対する日本国内のイメージは、米アップルの「iPhone」を受託製造してきたメーカーとの印象が強いだろう。中国に生産拠点を置き、安い労働力を武器にしてきた。あるいは、2016年にシャープを買収したことのほうが記憶に残っている方も多いかも知れない。

 だが、創業者の郭台銘(テリー・ゴウ)氏から劉CEOに交代してから、鴻海は急速な変化を遂げた。冒頭で劉氏が語った言葉が、それを象徴している。

HHTDの冒頭で挨拶する劉CEO(右)と創業者の郭氏(筆者撮影)

米エヌビディア向けAIサーバー製造が主力

 いま鴻海の主力事業は、米エヌビディア向けのAIサーバーの製造だ。これを起点にスマート医療などの新たなビジネス領域を次々に開拓している。鴻海は次のように説明している。

「AI、半導体、通信の3つのコア技術に投資し、EV、ロボット、ヘルスケアの3つを次世代ビジネスと位置付け、スマート製造、スマートEV、スマートシティーといった3つのスマートプラットフォームを構築する」

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