イラン戦争――日本と台湾への教訓とは何か

連載最終回 第11回

マット・ポッティンジャー 元米大統領副補佐官・ガルノーグローバル共同創業者CEO

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 戦争を嫌い、戦争に断固として反対するのは個人の自由です。しかし、戦争から得られる教訓に目を背けるのは賢明ではありません。

 なぜなら、その教訓は多くの犠牲の上に刻まれているからです。そして、その犠牲こそ、私たちが決して無駄にしてはならないものなのです。

 こうした精神のもと、2月28日に始まったイラン戦争の主要な当事国から、台湾と日本が学びうる点をいくつか考えてみたいと思います。これらの教訓を(ほかの多くの知見とともに)生かすことができれば、中国、北朝鮮、ロシアに対する抑止力を高め、地域の平和と繁栄を守る力がいっそう強まるはずです。


 まずは、この紛争からイランが示している教訓に目を向けましょう。

ポッティンジャー氏 ©文藝春秋

 教訓1――人類が航空機を戦争に用いるようになって以来百余年、航空戦力だけで政権交代を実現できた例はほとんどありません。

 政権を倒すには、通常、数十万規模の兵士を伴う地上侵攻が必要になります。

 今回のイラン戦争も、いまのところ例外ではありません。アメリカのドナルド・トランプ大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、戦争によってイラン政権を揺るがそうとしたものの、大規模な地上部隊を危険にさらすことは避けました。

 その結果、イラン政権は、世界最強の空軍(アメリカ)と中東最強の空軍(イスラエル)を相手にしながらも、権力の座に踏みとどまっています。

 何週間にもわたり、昼夜を問わず爆撃を受け続け、最高指導層が次々に命を落とし、新たに指導者が据えられてはまた失われる――それでもなお、体制は崩れていません。

 この事実は、台湾の人々にとって大きな励ましとなるはずです。

空爆で死亡したハメネイ師の肖像を携えて、イラン国旗を振るイラン国民 ©AFP=時事

空爆だけでは占領は不可能

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source : 文藝春秋 2026年5月号

genre : ニュース 政治 国際