シャンパーニュは今や通年、楽しめる。でも初夏の爽やかな季節は色合いや香り、泡の感触から余韻まで、五感で味わうのに最高のタイミングであることを忘れてはならない。
※掲載のボトルの容量はすべて750㎖です

フランスワインの中でも、シャンパーニュはなぜ特別か
シャンパーニュは寒冷な北仏で造られ、通常のワインと異なり、品質を安定させるため収穫年の違う葡萄、つまり複数年にわたるリザーブワインを混ぜる「アッサンブラージュ」が許される。ただし発泡を得るための二次発酵は瓶内に限り、出荷まで最低15カ月を要する。葡萄の出来が良ければ単年収穫による、年号付きヴィンテージの「ミレジム」も仕込めるが、こちらは36カ月以上も寝かせる必要がある。通常の白ワインと違って手離れは悪いが、シャンパーニュは安定品質と高付加価値化が可能なアルコール・ビバレッジとして、輸出にこの上なく向いていた。
葡萄はシャルドネとピノ・ノワール、ピノ・ムニエの3品種がよく使われる。だが、今では生産量が少なくほとんど流通しないプティ・メリエやアルバンヌ、ピノ・ブラン、ピノ・グリという葡萄もあれば、昨年秋、シャルドネ・ローズという品種が新たに認可された。温暖化による暑さへの耐性が期待されるヴォルティスというハイブリッド品種も、実験段階ながら作付けを増やしている。これらがアッサンブラージュに加わるのは2030年以降だという。
現れては消える、儚げな泡とは裏腹に、シャンパーニュは変化しながら、未来を確かに見据えているのだ。

シャンパーニュの産地である葡萄畑は、マルヌ、オーブ、オート・マルヌ以外にもエーヌ、セーヌ・エ・マルヌまで5県に及ぶ。生産者は大別して3タイプで、自社畑以外からも葡萄や搾汁を買い取る「ネゴシアン」、零細な栽培者または村単位の葡萄や搾汁を使う「コオペラティヴ」、自分で栽培した葡萄のみで作る「レコルタン・マニピュラン」がいる
王道の泡を堪能する
ランスやエペルネという2都市を中心に19世紀から台頭した伝統のメゾンは今も有力なネゴシアン。トレンドの担い手でもある。
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