かつてケルト人たちが“生命の水”と名付けた聖なる酒、ウイスキー。長い熟成によって樽から溶け出した大地と時間の恵みをいざ、飲み干さん。

Talisker 25years(タリスカー25年)
スコットランド・スカイ島の自然と海に育まれたタリスカー。その個性は潮の香りとピート(湿原に堆積した泥炭)由来のスモーキーさ、胡椒のような辛味にあるが、入手困難と名高い「25年」は中でも別格。長期熟成ならではの柔らかでコクのある甘みが、驚くほど豊かな風味をもたらす。¥79,860(MHD モエ ヘネシー ディアジオ www.mhdkk.com)
日本ほどウイスキーを愉しめる国はない
紀元前のケルト文化をルーツにスコットランドやアイルランドで発展を遂げ、ゲール語で「ウィシュケ・ベァハ」、つまり“生命の水”と呼ばれたウイスキー。これほどまでに英国圏の歴史に深く根ざした酒を、私たち日本人はたった100年程度で、独自の文化へと昇華させた。
英国を手本に近代化の道を歩んだ明治以降の日本人は、自然とスコッチウイスキーに親しむとともに、スコットランドに範をとり国産ウイスキーの製造に取り組んだ。そして奇跡的なほどウイスキー製造に適した水や気候風土と、日本人特有のアレンジ精神が見事にマッチ。今や日本は世界中の富裕層が羨望の眼差しを向けるジャパニーズウイスキーの生産国であり、スコッチをはじめとする世界の名品ウイスキーを最も愉しめる国へと成長した。まさに世界に冠たるウイスキー大国なのである。
SCOTLAND|良質なスコッチウイスキーは“洋酒天国”日本にあり

ウイスキーづくりにおいて最も理想的な気候風土をもつスコットランド。20世紀初頭、日本人がものづくりの手本としたのがこの地のウイスキーである。写真は1830年に創業したタリスカー蒸溜所。厳しくも美しい風景が、そのまま味わいに落とし込まれている
JAPAN|世界を魅了するジャパニーズウイスキー

1923年、京都は天王山の麓で生まれた日本最古のモルトウイスキー蒸溜所、山崎。スコットランドのものづくりに学びながらも、日本のクリアな水や気候風土を生かした、繊細なウイスキーを生み出した。その味わいは、今や世界中の愛好家たちを虜にしている
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!
初回登録は初月300円
月額プラン
初回登録は初月300円・1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
900円/月
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
電子版+雑誌プラン
18,000円一括払い・1年更新
1,500円/月
※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事が読み放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年7,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 塩野七生・藤原正彦…「名物連載」も一気に読める
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2025年11月号

