時を駆ける

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2026年は午年。時間は足早に過ぎ去るものだが、時には乗りこなす覚悟も必要だ。馬にまつわる時計ブランドの新作から、例年より大胆になれるスタイルを提案していこう。

 

※文中の表示はYG=イエローゴールド、RG=ロ―ズゴールド、WG=ホワイトゴールド、TI=チタン、SS=ステンレススチール、数字はケース径を表します

Patek Philippe(パテック フィリップ)/グランド・コンプリケーション TWENTY~4(トゥエンティフォー) パーペチュアル・カレンダー
12世紀のカラトラバ騎士団の十字をロゴとするパテック フィリップのレディース・コレクションに永久カレンダーが登場。近年はレディース用も紳士用と同等の複雑な機構を備え、ジェンダーレス化が進む。自動巻き、RG、36mm、7340/1R ¥19,260,000/パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター☎03-3255-8109

大変動の世の午年を駆け抜ける

 あらゆる家畜の中でも馬は人間の良き友。移動手段となり、共に働いたり競ったり、セラピーの相手として人を癒やしもする。人の営みに寄り添う馬に、直接間接に由来する時計ブランドが多いのは偶然でもなかろう。中世の騎士団は戦闘集団というだけでなく、巡礼者の宿や病院、為替送金などサービスを提供した。平時に野で馬を駆るのは軍事教練のみならず、様々なスポーツの起源となった。騎士道精神や装いのプロトコルも、馬抜きに発達しなかった。

 馬は人の時間に密着してきたからこそ、馬にまつわる諺や警句は賢愚を諭すものが多い。「小馬の朝駆け」に対し、「老いたる馬は路を忘れず」。初の女性首相誕生からAIの台頭まで、世相は激しく動き続けるからこそ「馬には乗ってみよ、人には添うてみよ」。よって午年の時計は、力強い相棒を着けこなしたい。

Patek Philippe(パテック フィリップ)/右:TWENTY~4(トゥエンティフォー)  左:CUBITUS(キュビタス)

同じローズゴールドでも女性の肌に合う淡い色合いと紳士用の力強いそれを、パテック フィリップは巧みに使い分ける。両者ともリラックスしたスタイルにも合わせやすい。右:シリーズ誕生25周年を記念したエンボスのパープルの文字盤と0.63ctのダイヤをセットした「トゥエンティフォー」。クォーツ、RG、25.1×30mm、4910/1201R ¥7,820,000 左:「CUBITUS」に加わったミディアムサイズ。最大45時間のパワーリザーブと裏蓋シースルーを採用。自動巻き、RG、40mm(10-4時位置)、7128/1R ¥12,270,000/パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター☎03-3255-8109

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source : 文藝春秋 2026年1月号

genre : ライフ ファッション