★雅子さまの父、退任へ
国際司法裁判所(ICJ)判事の小和田恆(ひさし)氏(昭和30年、外務省入省)が退任することが確定的となった。早ければ2月上旬にも発表され、小和田氏は15年に及ぶオランダ・ハーグでの判事生活にピリオドを打つ。
皇太子殿下と小和田氏の長女である雅子さまが、天皇皇后両陛下に即位するのは来年5月1日。そのため、杉山晋輔前外務事務次官(52年)ら前執行部は、遅くとも今春までに小和田氏の退任を決めたいとしていたが、色よい返事をもらえず、困惑を深めていたところだった。
日本はICJ判事の枠を一つ持つが、注目される後任は岩澤雄司東京大学法学部法学政治研究科教授である。同氏は、米ハーバード大学法科大学院で修士号、バージニア大学法科大学院で博士号を取得した後、国際連合先住問題常設フォーラム委員、アジア開発銀行行政裁判所裁判官、世界貿易機関(WTO)補助金常設専門家部会委員などを歴任。国際法の権威で、世界レベルで活躍してきた。内閣官房の「第三国定住に関する有識者会議」の座長でもある。
もう一つ、「オール外務省」の人事がある。OB(58年)の水鳥真美英セインズベリー日本藝術研究所統括役所長が、3月1日付で、国連事務次長補(防災担当)に就任する見込みだ。
杉山前次官がアントニオ・グテーレス国連事務総長に対し、日本の国連分担金が米国に次ぐ年間約2億4000万ドルに及ぶことから、それに相応しいポストを要請、獲得したのである。
在英公使、官房会計課長を歴任し、将来を嘱望されていた水鳥氏は、出世ではなく「恋」を選んだ官僚として省内で話題に。現在は、ケンブリッジ大学で教鞭を取る夫と英国ノリッチに在住している。そこへ、昨年末に官房から説得チームが派遣され、国連次長補就任を口説き落としたのである。また、これにより将来の国連事務次長も既定路線となった。
★目の上の瘤は消えず
“金融庁の法王”と畏れられる森信親長官(55年、旧大蔵省)を阻む強敵の勢いが増した。公正取引委員会の杉本和行委員長(49年)が、「今春に退任」という大方の予想を破って、留任することになったからだ。
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source : 文藝春秋 2018年03月号