次官留任は特捜対策?、慌てふためいた外務省、対米サプライズ人事、統幕長、異例の続投か

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★次官留任は特捜対策?

 大阪地検特捜部による証拠改竄事件で検察不信を招いて以来、沈黙を続けてきた東京地検特捜部が、久しぶりに鼻息を荒くしている。

 財政投融資による3兆円の公的資金が注入されているリニア中央新幹線の入札談合捜査に踏み切り、一方で、国からの助成金を得ていたスパコン開発会社の社長らを詐欺の容疑で逮捕した。

 2つの国家プロジェクトに切り込んだことになるが、そんななか注目されていたのが、法務検察の人事だった。

 特捜の捜査が進む年の瀬に決まったのは、黒川弘務法務事務次官(昭和56年、司法修習生)の留任と、同期の林眞琴刑事局長の名古屋高検検事長への転出などである。

 当初、黒川氏がいずれかの高検検事長に転出し、林氏が次官に就任するとの見方が濃厚だった。だが、昨年11月頃から流動的となっていた。

 次官人事を巡っては、法務省が一昨年、昨年と林氏就任の原案をまとめていたにもかかわらず、官邸によって覆された過去があったとされる。いずれも黒川氏の就任、留任で決着がついたが、今回の人事で林氏は3度、「検事総長の登竜門」と言われる次官ポストを逃したことになる。

 黒川氏は、甘利明元TPP担当相が絡んだ斡旋利得疑惑などで特捜部の捜査を封じ込め、官邸の信頼を得てきた法務官僚。一方、昨年9月に森本宏氏(平成2年)が部長に就任した特捜部は今回、「事件が潰されることを危惧したのか、入札談合に絡むゼネコンへの強制捜査着手の連絡を黒川次官に入れていなかった」(法務省幹部)という。

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source : 文藝春秋 2018年02月号

genre : ニュース 政治