日本の未来は「参議院の野党」にかかっている
高市早苗首相が2025年度内の予算案成立を目指したため、参議院で審議が紛糾した。1月に衆議院を解散、総選挙を実施し、衆院で、2000年以降最短の審議(59時間)で強行採決に踏み切ったからだ。野党の猛反発で少数与党の参院では与党の強引な国会運営にストップがかかった。今後、巨大な力を持つ政権与党に、野党はいかに対抗していくのか。参院の予算案審議の最中、国民民主党の玉木雄一郎代表、参政党の神谷宗幣代表、チームみらいの安野貴博党首が語り合った。
神谷 2月28日から始まったイラン攻撃で、国際秩序とエネルギー情勢が急速に悪化したにもかかわらず、なぜ高市首相は予算案の年度内成立にこだわり続けたのか、まったく理解できません。
玉木 その前に解散総選挙もしていますからね。昨年12月に国民民主党は、「年収の壁」の引き上げで自民党と合意し、年度内の予算案成立でも合意していました。
だから、まさか通常国会冒頭で衆院を解散するなんて思ってもいません。不動産取引で言えば、「重要事項」の説明がないままサインさせられたも同然(笑)。昨年の合意時点で解散を決めていたわけではないでしょうが、その後何の釈明もないまま、選挙に大勝した勢いで予算案の年度内成立を目指すと表明しました。通常なら1月下旬に始まる予算案審議が、解散総選挙で約1カ月遅れたので、そもそも年度内成立など無理な話だったんです。
ところが与党は、あろうことか審議時間を大幅に削ることにした。衆院での審議はおよそ59時間で、昨年から36%も減りました。1999年成立の国会審議活性化法のもとで、これまで最も短かったのは2007年の66時間30分でしたから、いかに短いか一目瞭然です。
安野 今回、チームみらいは初めて予算委員会に参加しました。国会議員12人中、11人が新人議員の政党なので。これまでの予算案審議の慣例を知りません。だから、当初は予断を持たずにフラットに判断していこうと考えていました。
しかし、そんな「相場観」を知らない私たちからしても、審議時間は過去25年で最短、首相出席の集中審議も過去10年で最短、分科会は37年ぶりに開催見送り、財務大臣が出席しない一般質疑と、いくらなんでも進め方がおかしくないか、と。ですから、中道改革連合、参政党、共産党との野党4党で、自民党の坂本哲志衆院予算委員長の解任決議案を共同提出したのです。

財政民主主義を踏みにじった
玉木 私は長く財政に関わってきましたが、高市政権の予算案審議の進め方は、憲法によって定められている財政民主主義を踏みにじるものです。予算案審議とは、納税者が選んだ国会議員が税金の使い道をチェックすること。その審議時間を短くすることは、納税者の権利を侵害しているわけです。高市首相は「保守」を自任されていますが、長年の伝統や継続性にリスペクトをもつことこそが、保守の本懐ではないかと問いたいですね。
神谷 民主主義には、決して数で押し切ってはいけない領域もあると思います。連立政権を組む日本維新の会との合意事項である衆院の議員定数削減もその一つ。小選挙区比例代表並立制において、比例代表だけ数を減らすことは、我々のような少数政党への影響だけにとどまらず、いかに民意を公平に汲み取るか、選挙制度の根幹に関わる大問題です。本来ならば選挙制度全体を変えるのが筋でしょう。
安野 小選挙区は民意の集約であり、比例代表は民意の反映です。民意の反映だけを削れば、バランスが崩れてしまいます。
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