佐藤愛子、岡野弘彦、鈴木光司、大野雄二、篠原勝之

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偉大な業績を残し、世を去った5名の人生を振り返る追悼コラム

★佐藤愛子

 作家の佐藤愛子(さとうあいこ)は、自身と家族の波乱の物語を書き続けるいっぽうで、痛快なエッセイが読者の心を掴んだ。

佐藤愛子 Ⓒ文藝春秋

 2016(平成28)年、雑誌に連載した『九十歳。何がめでたい』を単行本化すると、1年余で100万部の大ベストセラーとなる。騒がしい世の中への不満を臆することなく述べて共感を得た。草笛光子が主演の映画は大成功でロングランヒットとなった。

 1923(大正12)年、作家・佐藤紅緑と元女優・三笠万里子の次女として大阪市に生まれた。甲南高等女学校(現・甲南女子中学校・高等学校)に入学する。当時、旧制中学野球のファンで別当薫選手が贔屓だったという。

 43(昭和18)年、陸軍将校と見合い結婚するが、夫は軍隊での疾患治療でモルヒネ中毒になって退役。戦後、紅緑が死去したのを機に別居した。この頃から作家を目指すようになり、同人雑誌『文藝首都』に発表した「青い果実」が文藝首都賞を受ける。

 51年に夫が死去。56年に同誌同人の田畑麦彦と再婚するが、田畑は会社を設立して赤字経営を続けた。63年、浪費癖の夫をもつ妻を描いた「ソクラテスの妻」が芥川賞候補となり、以降、小説やエッセイを発表するようになるが、原稿料は夫の借金を返すのに消えた。

 68年に債権者対策として田畑と離婚し、翌年、この間の顛末を描いた約50枚の『戦いすんで日が暮れて』が直木賞を受賞する。長編にするつもりだったので、この受賞は不満だったという。

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source : 文藝春秋 2026年7月号

genre : ニュース 社会