高市首相が主導した「性差医療」とは

小宮 ひろみ 国立成育医療研究センター女性の健康総合センター長

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女性の健康課題による経済損失は年間3.4兆円

 男女の体は、細胞ひとつ取っても違うことをご存じでしょうか。

 細胞の核には染色体があります。XXとXYと言えば生物の授業を思い出す人もいるでしょう。性染色体というと精子や卵子のイメージが強いと思いますが、実は一つひとつの細胞に性があるとされています。

 もう一つ、男女の違いの代表的なものがホルモンです。女性ホルモンのエストロゲンや黄体ホルモン、男性ホルモンのテストステロンによって、男女の差は大きくなります。

 こうした性差がありながら、医学・医療においては長らく、男性の体がデフォルト(標準)とされてきました。その結果、月経や更年期障害といった女性の健康課題が軽んじられたり、病気によって女性の死亡率が男性より高くなったりする弊害が生じてきたのです。

 この偏りをなくそうと、米国では約40年前から性差を考慮する性差医学・医療が進展してきました。

 日本は欧米に比べて遅れていましたが、2024年10月、女性の健康に特化した初の国の研究・診療拠点として「女性の健康総合センター(ICWH)」が設立されました。私はセンター長を拝命しました。

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source : 文藝春秋 2026年7月号

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