
手練れの業界ウォッチャーが、新聞報道にもの申す!
★朝日と毎日の明暗
収入が右肩下がりになる中、メディアとしていかに存在感を維持するか。聞くところによれば、読売新聞は政治部の記者を増やした。SNSの発達で情報発信が民主化されたが、政治家へのアクセス権は以前と変わらない。ならばメディアの権限を政治報道に傾けるという。
9月の自民党役員人事・内閣改造の報道をみると、最大の焦点だった鈴木俊一幹事長の続投を他社に先駆けて報じるなど、読売が目立った。老川祥一主筆と高市早苗首相の極秘会談を踏まえた政権側の情報提供もあったのかもしれないが、「数の力」のローラー取材も効いたのだろう。
かたや朝日新聞や毎日新聞の政治部は減り続けているが、人事報道では明暗が分かれた。
まずは明。秀逸だったのは、毎日の9月17日朝刊三面の大型記事だ。首相が来秋に予定される自民党総裁選での再選を見据え、党内唯一の派閥を率いる麻生太郎副総裁に頼る体制を継続したが「双方の思惑含みの連携にはひずみも見られ、一枚岩とはほど遠いのが現実だ」と分析した。
この「ひずみ」の描き方がうまい。首相は「麻生氏の人事への関与について周囲に不満を漏らしつつも、その意向に配慮せざるを得なかった」。具体例として、麻生氏が将来性を買う小林鷹之政調会長の続投を挙げ、「官邸側では小林氏を閣僚で起用する案も浮上していたが、小林氏からの続投希望を受けた麻生氏の後押しもあり、早々に再任が固まった。麻生氏にとっても、閣内より目が届きやすい党内の要職にとどめた方が、影響力を行使しやすいとの思惑もあった」とした。「閣内より目が届きやすい党内の要職」といった細やかな表現で、高市氏と麻生氏との心理戦が読み取れる。
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