私に電子ピアノの購入を決意させた、レジェンドピアニスト・内田光子さんからの言葉

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「文藝春秋」の編集者が明かす、電子版限定の“ここだけの話”

 蝉が鳴く夏の朝。日傘を差し、滴る汗をタオルで拭いながら、最寄り駅へと急いでいたときのことでした。プルルルル、と鳴り出した社用携帯に飛び上がるほど驚いて画面を見ると、「アメリカ合衆国」と表示された、見知らぬ番号からの電話でした。

「内田光子でございますけれども」

 まさか、対談を申し込んでいるご本人から直接、国際電話がかかってくるとは! まさに青天の霹靂でした。動揺のあまり、目の前を走っていたゴミ収集車に轢かれそうになりながらも、必死で電話の声に耳を澄ませました。

 内田光子さんは、イギリスを拠点に活動するピアニスト。これまでに2度のグラミー賞を受賞し、2009年には大英帝国勲章デイム・コマンダー(DBE)を受章するなど、世界の第一線で活躍されてきた方です。

内田光子氏 ©Justin Pumfrey

 電話は、8月に予定していた対談を前に、改めて詳細を確認したいというものでした。不確かなことをお伝えしてはいけないと思い、私が語尾を濁すと、内田さんはピシャリと言い放ちました。

「あなた、『かと思われます』なんて言わないでちょうだい。『absolutely(絶対に、完全に)』と言い切るくらいでなければ、通じないわよ」

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