金正恩 建国70年 統一王朝計画を許すな

牧野 愛博 朝日新聞記者・広島大学客員教授
ニュース 社会 国際 韓国・北朝鮮

50年後に権力を継承するためなら何でもやる

金正恩総書記 ©時事通信社

 この夏、平壌近郊の美林飛行場では、大規模な軍事パレードの予行演習が行われていた。2013年を最後に途絶えていた大規模なマスゲームの練習も再開された。

 いずれも9月9日の建国70周年記念日に向け、金正恩朝鮮労働党委員長を「偉大な指導者」として世界にアピールするためのものだ。だが、父・金正日や祖父・金日成のスタイルをそのまま踏襲するわけではなく、そこには国際世論を意識した正恩氏なりの配慮があった。

 正恩氏は、マスゲームに幼稚園児や小学生が出演することを禁じた。以前は平壌市内各地で行われていた練習も郊外に場所を移した。朝鮮中央通信は8月26日夜、拘束していた日本人観光客の「国外追放」を発表した。

 いずれも、海外から「人権侵害の国」「凶暴な軍事国家」と非難されないようにする意図がある。「外聞」を気にしているのだ。4月の南北首脳会談、6月の米朝首脳会談という大舞台を経験した影響だろう。

 今年3月5日以来、最も接触の機会が多かった韓国政府の「正恩氏評」は好意に満ちたものだ。

 文在寅大統領は4月27日の南北首脳会談後、正恩氏の印象について「ざっくばらんで、礼儀正しい人だ」と周囲に語った。

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source : 文藝春秋 2018年10月号

genre : ニュース 社会 国際 韓国・北朝鮮