1週間に1回は摂って欲しい
健康で長生きをするためには何を食べればいいのか――。
世界中の人々が関心を寄せるこのテーマに、いま、世界中の医学研究者が新しいエビデンス(科学的根拠)を探し求めて取り組んでいます。
かつて医学雑誌といえば基礎研究が主でしたが、いまや二大巨頭であるイギリスの「ランセット」とアメリカの「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスン」までもが「からだにいい食材」について発表し続けているのです。
トップ・ジャーナル以外でも、例えば、アメリカの糖尿病治療のガイドラインを定める米国糖尿病学会の機関誌「ダイアビーティス・ケア」は食と血糖値に関して注目すべき研究を続々と発表。「食」は「薬」と同等とみなされるようになりました。
私は若い頃、米国のロックフェラー大学の研究員として、体内で起こる化学的な反応を調べる「生化学」という学問を勉強してきました。生化学を理解していなければ、特定の食品が身体にどのような影響を与えるのか分析することはできません。
私がライフワークとしてきたのは、老化や様々な病気をもたらすAGE(終末糖化産物)という物質の研究です。日本に帰国してからも久留米大学医学部の教授として研究を続け、15年前、東京・銀座にAGEを専門とするクリニックを開業しました。これまで延べ20万人以上の患者さんを診断し、生活習慣病や糖尿病を予防・治療するためのアドバイスを続けています。
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source : 文藝春秋 2018年09月号