◆“矢野論文”が巻き起こした論争
文藝春秋digitalは、2月18日(金)19時〜、評論家である中野剛志さんと経済評論家の加谷珪一さんによるオンライン対談イベント「積極財政はバラマキか!? 『MMT理論』を検証する」を開催しました。
【動画はこの記事のいちばん下にあります】
昨年10月に発売となった「文藝春秋」2021年11月号で、現職の財務事務次官である矢野康治氏による論文が反響を呼びました。日本(地方含)の債務はGDPの2.2倍にあたる1166兆円に上るにもかかわらず、政治では数十兆円規模の経済対策など「バラマキ合戦」のような政策論が横行している――国家財政の破綻の可能性にまで踏み込んだ内容を、財務次官みずから発表したことにより、識者の間で論争が巻き起こったのです。
評論家の中野剛志さんは、「文藝春秋」2022年1月号に掲載された小林慶一郎さんとの対談「激突! 『矢野論文』」で“矢野論文”に対して「三つの大きな問題点」を指摘、「日本は財政破綻に向かっていない」と主張しました。そのなかでMMT(Modern Monetary Theory: 現代貨幣理論)に言及し、「自国通貨を発行できる政府は財政赤字を拡大しても債務不履行になることはない」という主張について“矢野論文”はまったく触れていないことを問題視しています。
中野さんと小林さんの対談では、過剰な積極財政で制御できないようなインフレが起きるか、財政赤字が通貨の信任を失うことはあるのか、政府債務額には限界はあるのか、積極財政やMMTを巡る争点が確認されました。中野さんが「財政赤字が制御不能なインフレを起こす可能性は低い」という立場である一方、経済評論家の加谷珪一さんは、大戦後のドイツや「高橋財政」後の日本経済に触れて、インフレをコントロールすることの難しさをこれまで指摘しています。
本イベントでは「激突! 『矢野論文』」で提示された論点を中心に中野剛志さん、そして加谷珪一さんによる対話をお送りします。
戦後の先進国で唯一デフレとなった日本――。この国の経済状況をどう捉え、変えていくべきでしょうか。“矢野論文”および、それに対する議論を掲載してきた月刊「文藝春秋」最新号と併せてご覧ください。
当日リアルタイムでイベントをご覧になれない方も、アーカイブ動画の配信があります。本記事の有料部分にアップしますので、何度でもご覧いただけます。
◆イベント概要
イベント名:積極財政はバラマキか!? 「MMT理論」を検証する
出演:中野剛志、加谷珪一
日時:2月18日(金)19時〜20時30分(予定)Zoomウェビナーを使用して開催します。完全オンラインイベントです。
◆問い合わせ先
文藝春秋編集部
メール:mbunshun@bunshun.co.jp
◆イベントフル動画
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source : 文藝春秋