明確な改善を
「平和ボケ」と云われる日本で銃撃事件が起きた事に驚いて1か月が経つ。ニュースで知った時はあの統一教会が未だ活動していたことが予想外であるとともに、元総理を狙ったことは飛躍した逆恨みと感じたものである。
どのような理由があるにせよ殺害を企てることは論外で、犯人が厳罰に処されることは当然と言える。一方で、9月号『安倍元首相暗殺と統一教会』で安倍一族の長年の繋がり、教会への対応などを読むと、犯人が他の政治家でなく安倍氏を狙った理由はうなずける。だが、自殺を含む家族崩壊まで起こした背景にある教会の活動に、便を図っていた政治家にも何らかの処分が求められるべきものではないだろうか。
霊感商法で大問題になったにも関わらず教会が活動を続けられたのは、選挙の票さえ集まれば良いという節操のない政治家がいたからであると言われてもやむを得ない。更にそんな政治家がぞろぞろといるというのだから、開いた口が塞がらない。安倍氏の死を無駄にせず、今も教会のせいで苦しんでいる人たちのためにも明確な処置、改善を期待したい。
(佐藤浩郎)
命運を握る「3年」
7月8日、安倍元首相が参院選遊説中に銃撃され死亡した。10日の参院選は自民党大勝となったが、投票率は依然として低水準。9月27日に国葬を予定するなかで、内閣改造・党役員人事は8月10日に行い、「政策断行内閣」といっても派閥のバランス重視の政権となり、目玉人事もなく、旧統一教会との疑惑で刷新直後の内閣支持率は下落した。
毎号楽しみにしている赤坂太郎氏『清和会7人のバトルロイヤル「主を失った最大派閥は、どこに漂流するのか――」』に後継者争いの舞台裏を覗き、安倍「再々登板」の野望に驚いた。岸田首相は次の総裁選まで2年、参院選や衆議院議員任期満了まで3年、相互補完の安倍元首相亡き後、未曽有の難局で政権が崩壊しないことを望みたい。
一昨年は新型コロナウイルスによるパンデミック、昨年は地球平均気温1.1℃上昇の発表、今年はロシアのウクライナ侵略、この3年で変わった世界。国際秩序は崩壊し、世界的な物価高となり、熱波・山火事や高温・干ばつが多発している。日本は経済停滞が続き、赤字国債発行で国家財政を賄い、豪雨・洪水の甚大災害も続いている。
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source : 文藝春秋 2022年10月号