90歳までは慰霊登山を続けねば

第7回

柳田 邦男 ノンフィクション作家

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御巣鷹山慰霊登山で、瞬時に手を差しのべてくれたのは日本航空社長の鳥取さんだった

 2025年4月9日(水)

 福島県で高校教師とその後の教育委員会委員を長年にわたり務めてきた海野和夫(うんのかずお氏から頂いた新著の『不登校を克服する』(文春新書)を読む。

 不登校が社会的に問題視されるようになったのは、1960年代頃からだが、海野氏は早い時期からこの問題を重視して、個別事例の相談・指導に取り組むとともに、根源となっている教育界の問題の調査解明と解決策の考察に取り組んできた。単に教育委員会の上からの目線で、行政的な解決をはかろうとするのでなく、教育現場の実態に分け入り、具体的・実践的な対策を歯に衣着せぬ文章で書き進めている。教育界では異色の“評論文”と言える。

『不登校を克服する』(文春新書)

不登校の根源

 不登校になる原因は、何なのか。海野氏は「その根源に付随する特性」として次の3点をあげる(要約だがほぼ原文を引用)。

 一つ目。「自分はだめだ」と思い詰めながら、一方ではそれなりの誇り(プライド)をもっていること。誇りは時に、虚勢や見栄を張ることにも通じる。そのことが仲間から一種の虚勢や見栄と見なされると、嘲りや蔑みとなって返ってくることがある。より学校に行きにくくなる。加えて、この誇りは、誇大でゆがんだ自己有能感となることがある。そのことが何かの要因で否定されると、自己変革を試みず、不登校が長引く。

 二つ目は、対話能力(コミュニケーション能力)の習得遅滞。不登校の子どもは出生以来のストローク(触れ合い)の絶対的不足により対話能力の形成に困難が生じる。「ストローク不足は、人に認めて貰う飢え」(国谷誠朗)をもたらし、集団参加を困難にする。これには語彙力の不足が伴う。それによって言語での表現能力が年齢相応に成熟せず、集団適応を困難にする。

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