◆「一人前の国家」とは何か?
4月22日(金)19時より、政治思想研究者の片山杜秀さんと批評家の先崎彰容さんによるオンライン対談イベント「『核の選択』清水幾太郎を読み直す」を開催しました。
《アーカイブ動画はこのページ下部にあります》
片山さんは『文藝春秋』2022年5月号にて論考「『核の選択』清水幾太郎を読み直す」を発表しました。戦後日本のオピニオン・リーダーのひとりにして、社会学の泰斗であった清水幾太郎は、40年以上前に《日本には核兵器が必要だ》と書きました。
「核兵器が重要であり、また私たちが最初の被爆国としての特権を有するのであれば、日本こそ真先に核兵器を製造し所有する特権を有しているのではないか」「日本のように、核兵器を所有せずに、ただ恐ろしさに怯えている国は、それを所有している国から見て、最も御し易い国であろう」
これは自費出版の小冊子「日本よ 国家たれ」の一節です。文藝春秋が刊行する雑誌「諸君!」(1980年7月号)にも全文が掲載されました。
清水は1988年に逝去しましたが、60年安保の際には「安保反対」運動の先頭に立った社会主義寄りの「反戦知識人」の代表でした。左派・リベラル的な希望の星でしたが、唐突に“右旋回”したのです。
冷戦時代の真っ只中である1980年、国防を米国に依存することへの矛盾を猛然と批判した清水幾太郎。しかし、彼の言説は「日米同盟の有効性」に疑いの目が向けられている現代に、ふたたびリアルな響きをもつのです。
先崎さんは保守主義の論客として、これまでの文藝春秋digitalウェビナーでも、国防や国のかたち、日本人らしさ、日米関係などを舌鋒鋭く論じてきました。『文藝春秋』2022年2月号に掲載された「『人新世の〈資本論〉』に異議あり」では、ベストセラーとなった斎藤幸平氏の著書「人新世の『資本論』」(集英社新書)について、吉本隆明やドストエフスキーに言及しながら、その人間観や〝政治的正しさ〟への盲信を批判しました。
ウクライナ侵攻から1カ月以上が過ぎ、国際秩序が大きく変わる可能性があるこの2022年において、ふたりの論客は「日本よ 国家たれ」という清水幾太郎の主張をどう語るのでしょうか。
「一人前の国家」とは何か。日本人はいま何を考えるべきか。貴重な対談、ぜひご覧ください。
当日リアルタイムでご覧になれない方も、イベントの模様を収録した動画を配信しますので、何度でもご覧いただくことができます(※編集の都合上、動画はイベント終了後、一両日中に公開します)。動画は本記事のいちばん下(有料部分)にアップします。
◆イベント概要
イベント名:「核の選択」清水幾太郎を読み直す
出演:片山杜秀、先崎彰容
日時:4月22日(金)19時~20時30分(予定)Zoomウェビナーを使用して開催します。完全オンラインイベントです。当日リアルタイムでご覧になれない方も、イベントの模様を収録した動画を配信しますので、何度でもご覧いただくことができます(※編集の都合上、動画はイベント終了後、一両日中に公開します)。動画は本記事のいちばん下(有料部分)にアップします。
◆対談フル動画
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source : 文藝春秋