◆“SNS戦争”と民主主義の行方
文藝春秋digitalは評論家の宇野常寛さんと先崎彰容さんによるオンライン対談イベント「テロの世紀によみがえる吉本隆明『共同幻想論』」を開催しました。
《フル動画は本ページ下部にあります》
宇野常寛さんは文芸誌『群像』2022年7月号で新連載「庭の話」を開始しました。「庭の話」冒頭ではウクライナ戦争におけるSNS上のプロパガンダ戦が取り上げられ、今日の戦争の形態に前線/銃後という概念が消えた“テロ”との親和性を見出しています。
プラットフォーム上にフェイクニュースやプロパガンダが流通し、それをシェアすることで“彼ら”ではない“私たち”のあいだでの承認が高まっていく情報社会の状況を、宇野さんは「相互評価のゲームによる承認の交換」と表現しています。論考内では「人間は他の人間との関係性から自由に思考することができない」とする吉本隆明の『共同幻想論』が参照され、そこで前提とされている「関係の絶対性」(吉本)からの脱却が模索されています。
かつて先崎さんと宇野さんはwebマガジン「遅いインターネット」上で「これからの『吉本隆明』の話をしよう」で、戦後日本社会の「自立」、現代情報社会における主体の「自立」について議論されています。巨大テック企業によるコミュニケーション(関係)の閉塞化を、私たちはいかに克服することができるのでしょうか?
先崎さんは保守思想家として『国家の尊厳』などで“共同体意識”をいかに社会に取り戻すことが可能か、議論を展開しています。宇野さんによる新連載「庭の話」は文字通り、公的/私的な領域のあわい=社会のあり方についての批評文です。吉本隆明『共同幻想論』を振り返りつつ、お二人に来たるべき共同体のあり方を語ってもらいます。
当日リアルタイムでご覧になれない方も、イベントの模様を収録した動画を配信しますので、何度でもご覧いただくことができます(※編集の都合上、動画はイベント終了後、一両日中に公開します)。動画は本記事のいちばん下(有料部分)にアップします。
◆イベント概要
イベント名:宇野常寛×先崎彰容「テロの世紀によみがえる吉本隆明『共同幻想論』」
出演:宇野常寛、先崎彰容
日時:上述の理由により開催は延期となりました。追って、変更となった開催日をお知らせします。Zoomウェビナーを使用して開催します。完全オンラインイベントです。
◆宇野 常寛(うの・つねひろ)プロフィール
…1978年生まれ。評論家。批評誌〈PLANETS〉〈モノノメ〉編集長。著書に『遅いインターネット』(幻冬舎)、『水曜日は働かない』(ホーム社)、『ゼロ年代の想像力』(早川書房)、『リトル・ピープルの時代』(幻冬舎)、『母性のディストピア』(集英社)、石破茂との対談『こんな日本をつくりたい』(太田出版)など多数。立教大学社会学部兼任講師も務める。
◆先崎 彰容(せんざき・あきなか)プロフィール
…1975年生まれ。東京大学文学部倫理学科卒業。東北大学大学院文学研究科日本思想史専攻博士課程単位取得修了。フランス社会科学高等研究院に留学。文学博士。日本大学危機管理学部教授。専攻は近代日本思想史・日本倫理思想史。主な著書に『高山樗牛――美とナショナリズム』(論創社)、『ナショナリズムの復権』(ちくま新書)、『違和感の正体』『バッシング論』(ともに新潮新書)、『未完の西郷隆盛――日本人はなぜ論じ続けるのか』(新潮選書)、『維新と敗戦――学びなおし近代日本思想史』(晶文社)、『吉本隆明「共同幻想論」』(NHKテキスト・100分de名著)、現代語訳と解説に福澤諭吉『文明論之概略』(ビギナーズ日本の思想・角川ソフィア文庫)など。
◆問い合わせ先
文藝春秋編集部
メール:mbunshun@bunshun.co.jp
◆イベントフル動画
《この下に対談フル動画があります》
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