新浪剛史氏が就活中?、富士フイルムの誤算、苦境に喘ぐリコー、任天堂の勝因は

丸の内コンフィデンシャル

ビジネス 企業

★新浪氏が就活中?

 サントリーホールディングス(HD)の新浪剛史社長の去就が注目を集めている。きっかけは新浪氏自身の行動だ。

 1月、スイスで開かれた、世界の要人が出席するダボス会議に新浪氏も参加。この場で企業経営者に「必死に自分を売り込んでいて、次の就職先を探しているようにしか見えなかった」(出席していた大手企業首脳)というのだ。

 新浪氏は三菱商事(垣内威彦社長)出身。同社がローソン(竹増貞信社長)の筆頭株主となったのを機に、43歳でローソン社長に就いた。「当時三菱商事の社長だった佐々木幹夫氏に気に入られ、社長の座を射止めた」(三菱関係者)と言われる。

 だが社長在任期間中、たびたび出身母体と意見が対立。このためローソンから去ることは時間の問題だったが、2014年に転じた先が三菱グループであるキリンホールディングス(磯崎功典社長)のライバルであるサントリーだったため、「後足で砂をかけるような行動だ」と不興を買った。

 もっともサントリーは、今も昔も鳥井家が支配する同族会社。サントリーHD会長で鳥井家に連なる佐治信忠氏は、新浪氏を後継者に据えたものの、あくまでワンポイント。いずれは国内の酒類事業を束ねるサントリーBWS社長の鳥井信宏氏に、サントリーHDのかじ取りを委ねるつもりとされ、それは新浪氏も承知している。このため新浪氏は波風を立てないよう振る舞い、安倍晋三政権に気に入られることに腐心しているという。「安倍さんへのすり寄り方は、三菱商事で佐々木さんに気に入られようとしていた時と同じ」(政府関係者)との声もある。

 安倍政権のお気に入り経営者で、サントリーHDのトップ。これだけ箔が付けば、ダボス会議で自らを売り込む営業活動をする必要もないように思えるが、なぜ新浪氏は精力的に動いていたのか。それは「箔はあるが“これ”という実績がないことを、自身が最も良く知っているからでは」(新浪氏の旧知の友人)。また、次期社長候補の信宏氏が着実に実績を積み上げていっているのも確かだ。

 新浪氏が社長に就任して丸4年。信宏氏へのバトンタッチが現実味を帯びてきた。

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source : 文藝春秋 2018年04月号

genre : ビジネス 企業