俳優の松方弘樹(まつかたひろき)(本名・目黒浩樹)は、時代劇やヤクザ映画で活躍、酒や女性関係でも豪快な生活を続けた。
1942(昭和17)年、東京都に生まれる。父は時代劇スターの近衛十四郎。弟は目黒祐樹。高校時代に『十七才の逆襲・暴力をぶっ潰せ』で主演映画デビューを果たす。
「親父の七光りであることは分かっていました」
子供のころから父親が映画で見せる立ち回りに憧れた。「親父は12尺の槍をしならせながら演じる。これがかっこよかった」。甘いマスクに人気が集まり、『伊賀の影丸』や『眠狂四郎』などで主演したが、時代劇が退潮期にあって武士の役は多くなかった。
任侠ものでも活躍したが、新境地を見せたのは、73年から始まる『仁義なき戦い』などの、実録ヤクザ路線だった。苦み走ったヤクザの幹部を好演し、主演の菅原文太とともに、東映映画の一時代を画した。
テレビでも活躍した。65年のNHK『人形佐七捕物帳』に始まり、74年には渡哲也が病気で途中降板した大河ドラマ『勝海舟』の主演を引き継ぎ、様々なトラブルに見舞われながら、平均視聴率は24.2%を記録した。
その後も時代劇にこだわり、78年の『柳生一族の陰謀』に徳川家光役で出演し、翌年にも『真田幸村の謀略』で凄みのある主役を演じた。テレビでも88年から98(平成10)年まで続いた『名奉行 遠山の金さん』は当たり役の一つとなった。
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source : 文藝春秋 2017年03月号