新会長の条件は官邸にとって「便利で目立たぬ人」
ことの発端は、10月11日のNHK経営委員会で会長の籾井(もみい)勝人(73)が唐突に切り出した議事録に記載のない次の一言だった。
「来年度から受信料を4%値下げしたい」
12人の経営委員たちには、事前の説明もない。文字通り寝耳に水だったが、当の籾井にとっては、起死回生の一手のつもりだったに違いない。
3年前に会長に就任して以来、とかく物議をかもしてきた籾井は、局内の求心力はもとより、後ろ盾になってきた首相官邸からも見放され、2017年に迎える会長の任期満了でお払い箱になる危機感を抱いていた。
このままでは終われない――。本人の心情を推し量れば、そんなところだったのだろう。
単純に考えれば、受信料の値下げは視聴者にとって悪い話ではない。2期目の続投に望みをつなごうと捻り出した一手が、国民受けのいい受信料の値下げだったといえる。籾井は来年度の予算編成にあたり、ひと月50円程度の値下げを提唱した。
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source : 文藝春秋 2017年01月号