「強い心」を手に入れられたこの1年の軌跡
11月12日、東京・元赤坂の赤坂御苑で天皇皇后両陛下が主催する「秋の園遊会」に、雅子妃殿下は12年ぶりにお出ましになった。
高層ビルに囲まれた都心とは思えないほど多くの花木に囲まれた赤坂御苑は、朝からの曇り空に、時折、秋のやわらかい日差しが降り注いでいる。会場には、漫画家の水島新司さんや、iPS細胞を使った網膜細胞を世界で初めて患者に移植した理化学研究所の高橋政代さん、東日本豪雨で被害を受けた栃木県の福田富一知事ら、各界の招待者1970人が顔をそろえていた。
午後2時。敷地内の中央にある「僊錦閣跡」と呼ばれる小さな丘に、天皇皇后両陛下、皇太子同妃両殿下、秋篠宮同妃両殿下をはじめ皇族方が一堂に並んで、おごそかに式典は始まった。皇宮警察音楽隊の演奏による国歌斉唱が終わると、ワインレッドのスカートスーツと同色のつばのある帽子をかぶった雅子妃が、皇太子と並んで招待者の集まる「三笠山」までゆっくりと下りてこられた。
それまで沈黙していた招待者から「素敵!」と、思わず小さな声が漏れるほど雅子妃は目を引いていた。
「華やかさが飛び抜けていると感じました。口元に笑みを浮かべられて、穏やかなご表情でした」(宮内庁記者)
12年前の2003年にご出席した「秋の園遊会」では、雅子妃は招待者の全体を見渡すことができなかったという。低空を鳴きながら飛んできた鳥の声にもお身体をピクっと硬直させるほど神経が過敏になっていた。だが今回は当時とは打って変わった様子で、会場を見渡すこともできた。そして、最前列に並んだ招待者に順番に会釈をされ、
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source : 文藝春秋 2016年01月号